WRCウェールズ・ラリーGBのWRC2ではペター・ソルベルグが優勝を飾った。ソルベルグは今季いっぱいで第一線から退くことを表明しており、サヨナラ参戦として臨んだ最後のWRC戦で有終の美を飾った。
息子であるオリバーとともに、それぞれフォルクスワーゲン・ポロGTI R5で臨んだソルベルグ親子。これがWRCデビューとなったオリバーは、SS1ではフロントガラスが曇るハプニングで思うような走りができなかったが、林道に入るとWRCで挑む自身3本目のステージで、WRC2Proも含むR5マシン勢のベストタイムをたたき出した。さらに、SS11、SS12でも部門トップタイムをマークしたが、続くSS13でアクシデントに見舞われ、原因不明のマシンストップ。5分以上をロスしたが、走行は継続することができ、サービスで問題を調査し、最終日もスタート。ラリーを走り切った。
「イベントの終わりかたは願っていたような形ではなかったが、ここでラリーをするという夢は叶った。ウェールズとWRCは、パパから聞いていた様子とは違っていた。聞いていた以上のものだったよ」
その“パパ”であるペターは、このウェールズでWRカーでの総合優勝4回目に続き、R5マシンでのWRC2優勝と5度目の優勝をマークした。しかし、今回の勝利は、言葉にならない感動を残した。
「信じられない。今年の初めにお別れツアーを計画して以来、ここで戦いたいと思っていた。今回は、オリバーもドライビングするという、これまでとは違った状況でもあった。感情は少し複雑だが、何て言ったらいいんだろう」とペター。
「復活が今、始まった、という感じかな!」
「このイベントが難しいことは覚悟していたが、でもどれだけタフなのかを少し忘れていたかもしれないね! いつもどおり、選手権で一番難しいラリーだった。道と同じくらい1日が長かったので自信を保つのは大変だったが、うまくこなせるようになれば、世界で最高の気分を味わえるよ」
「今後も参戦はあるか? やるべきだと言う人もいるけど、今は、オリバーの活動を始めている。正直、とても楽しいし、このラリーでも色々な気持ちが湧いてきた。この場所や、ここにいる人たちが大好きだから、自分の最後のWRC参戦をウェールズで迎えることができたのは、自分にもフィル(ミルズ)にとっても、とても特別だった。とてもいい形で、サヨナラが言えたよ」