チュリニ峠を含むナイトステージを終え、勝負の行方はほぼ決まったも同然なラリー・モンテカルロだが、王宮前のポディウムに上がるためには最後のSSを無事に走り切らなければならない。1月22日(日)、競技最終日に用意されたSSはスーパーSSに指定された全長5.16kmのショートステージただ1本。上位タイムを刻んだ選手には上から順に3、2、1ポイントが与えられる。コースはターマックで路面はドライ。4日間にわたるトリッキーなステージを走行した結果、必ずしも路面に合ったタイヤが残されているとは限らない。
ラリーの締めくくりとなるSS18でトップ2タイムを刻んだのは、ターマック用タイヤを温存しておいたシトロエン勢だった。セバスチャン・ローブがベストタイムを、ミッコ・ヒルボネンがセカンドベストをマーク。4年ぶり6度目となるモンテカルロ優勝を決めたローブはボーナス3ポイントを獲得し、フルポイントとなる28ポイントを手にした。
ラリーモンテカルロの伝統にのっとり赤い布で覆われた台でトロフィーを受け取ったクルーは1位ローブ、2位ダニ・ソルド、3位ペター・ソルベルグ。3マニュファクチャラーの選手がバランスよく並び、その光景は面白いシーズンの幕開けを予感させた。
総合4位にはヒルボネンが入り、5位には終始安定した走行を続けパワーステージでも3番手タイムを刻んだエフゲニー・ノビコフが入った。49歳のフランソワ・デルクールはまったく年齢を感じさせない走りで見事6位フィニッシュ。最終ステージでは、今回のモンテカルロを最後に引退するコ・ドライバーにステアリングを譲るという小粋な演出でラリーを締めくくった。