今週開催されるWRCラリースペインで、悲願の初タイトルに向けてマニュファクチャラーズ選手権でのリード拡大を狙うヒュンダイは、ドライバーズ選手権でもタイトルを争うティエリー・ヌービル、昨年のスペインの覇者、セバスチャン・ローブ、地元スペインのダニ・ソルドと必勝態勢で臨む。
全14戦の第13戦にあたるスペインは、タイトル争いも終盤。ここからは、一切のミスが許されない。マニュファクチャラーズ選手権では現在首位に立っているヒュンダイではあるが、トヨタとの差はわずか8ポイント。全クルーがタラゴナでテストを行い、ローブとソルドは半日をグラベルで、さらに3クルーが揃ってターマックを走行し、カレンダー唯一のミックス路面に向けての準備を進めた。
ドライバーズ選手権では、首位に41ポイント差がついているヌービルにとっては、ここが正念場。今季はポディウム6回、うち2勝と、スペインで本領を発揮したいところだ。
「シーズンは重要な局面を迎えている。自分たちの目指すものは明白。優勝を目指して戦い、ライバルに差をつけることだ」とヌービル。
「同時に、スペインはグラベルを1日、2日はターマックという独特のイベント。ここで待っているチャレンジを楽しみにしている。今年は、どちらの路面でも強さを発揮できているので、選手権争いのために、できる限りのプッシュを続けていく」
一方、母国ラウンドとなるソルドは、トルコ以来の参戦。今季はサルディニアでうれしい自身2勝目を挙げているだけに、地元ファンからの期待も高まる。
「スペインで、自分の母国ラリーでi20クーペWRCのシートに戻ることが待ち切れない」とソルド。
「ひとつの週末にグラベルもターマックも走る、とても特別なイベントだ。グラベルから始まるのもいい。自分たちは走行順が遅いアドバンテージがあるので、ここで差をつけたい。ターマックは、どのチームも速いクルーを揃えているので、ビッグファイトになる。エキサイティングなイベントになることは、間違いないよ。スペインであるということで、自分のモチベーションは倍。スペクテイターはみんなの走りを楽しみにしているけれど、スペイン人へのドライバーは他よりも少し熱いと思うよ」
シトロエンから参戦した昨年のスペインでは、巧みなタイヤ戦略で優勝を飾ったローブは、ポルトガル以来のWRC参戦。しかし、WRC9連覇王者は、スペインでののべ優勝回数は9回にのぼる。
「スペインは、いつも楽しませてもらっているラリー。何度も勝っているが、自分が一番好きなのはロケーションだ」とローブ。
「海が近い、素敵な場所だ。ミックス路面もこれまで自分は楽しんでいるし、ラリーの途中でセッティングを丸ごと変える唯一のイベント。すぐにペースに乗れる自信はあるし、マニュファクチャラーズ選手権争いでチームのリードを広げることに貢献していきたい」