ヤリスWRCで2戦目のWRCイベントに臨む勝田貴元が、水曜日のメディアファンクションにて短いインタビューに応えてくれた。
前回の経験をどのように活かしたいと思っていますか?
「ドイツに関してはとにかく完走して、ヤリスWRCでの走行距離を稼ぐということだけが目標でした。ヤリスWRCの挙動とドイツの道の感覚の経験値をフルに稼ぐことができたので、そこでつかんだ感覚を活かしたいです。今回に関してはアベレージ的にも高いレベルで最後まで走り切れるように、というのが第一の目標です。その中でドイツよりもワンステップ、ツーステップくらい上を目指したいですね。スペインは過去に走った経験があるので、それを活かしながらヤリスWRCがスペインの道でどういう動きをするか、乗りながら確認して、少しずつペースを上げることができればと考えています」
昨日のレッキは雨で大変でしたね。
「レッキ時の条件と実際にステージで走る時の条件は結構変わっていると思います。ここまでの違いは経験したことがないので、それはそれでひとつの経験として面白いと思っています」
本番の状況を想定してペースノートを作るわけですよね?
「そうです。昨日に関してはステージによって雨の量がまったく違って、僕が走った後に雨が強くなったステージもあれば、逆のパターンもあったので、どうなるか読めない状況でした。ここの水は残りそうだとか、ここは水が溜まりそうだとか、ある程度のところはマークしましたが、それ以上に滑りやすいような場所が出てくると思います。R5は滑りやすいところでどういう挙動をするか分かっているので不安要素はないのですが、ヤリスWRCはまだ未知数な部分があるので、そこに気をつけていく必要があると思います」
日曜日のテストはどのような感じでしたか?
「先々週の日曜日だったのですが、ターマックとグラベルを半日ずつ走らせてもらいました。テストなのでたいした距離は走れなかったのですが、クルマがどういう動きをするか少しずつ把握できてきました。フィンランドでグラベルを走っているとはいえ、ここのグラベルはかなり特徴が違うので、本番に近い状況のステージを走れたことはとても良い経験になりました。セッティングも変えながら走りましたし、タイヤがWRC2に比べてだいぶ固いので、R5でだったら絶対に避けなくてはならない岩なども乗り越えていけてしまうので、そういうところもタイムに直結してくると思います。本番では走りながら1ループ目でいろいろ試していきたいと思っています。毎年1日目にみんな何かしら起こしているので、初日が最も大変だと思います。気をつけていても何か起こるステージなので、しっかり乗り越えられるように気を引き締めていきたいと思っています」
今回の抱負を聞かせてください。
「今後に向けて経験値を積むことが第一なのですが、将来に向けて、ステージタイムなりスプリットタイムなり、どこかで光るものを見せたいですね。でも経験を積むことは忘れずに、ドイツと比べて少し“欲”を出していきたいなと思っています」