2020年から立ち上がるラリークロスの電動マシンシリーズ、プロジェクトE(Projekt E)に、ノルウェーのホルテン・モータースポーツASが初めて参戦を表明した。フォード・フィエスタがベースのプロジェクトEレースカーで参戦する。
プロジェクトEは、STARD(Stohl Advanced Research and Development)と、FIA世界ラリークロス選手権のプロモーターを務めるIMGが連携して進めるシリーズで、世界ラリークロス選手権のヨーロッパ戦数戦にサポートイベントとして組まれる。
ホルテン・モータースポーツのプロジェクトマネージャーで、自らも技術調査会社、Ing Nils Reimers AS (INR)の代表を務めるニールス・レイメースは、「プロジェクトEへの参戦に乗り出すことで、我々は電動技術開発の面で正しい方向に推し進んでいける」と語る。
「モータースポーツが新しい自動車技術の先陣を切っているのは事実。プロジェクトEは我々に技術的なプラットフォームをもたらし、我々は自動車産業の変化の中で適切に学んでいくことができる」
チームマネージャーのスベン・ビヤルテ・ホルテンも、コスト効率の高いシリーズでチームにもたらされるプロジェクトEの最新技術を強調する。
「プロジェクトEは画期的な事業で、プライベートのチームに電力モータースポーツの世界への門戸を開いてくれるもの。シンプルで革新的でありながら手ごろな価格というSTARDの技術コンセプトのおかげで、ロードカーの電力パワートレーン関連では比類の無いレベルになっている」とホルテン。
ホルテン・モータースポーツは、世界RXやヨーロッパのラリークロス競技に長く関わりを持つ。特に注目されるのは、ダニエル・ホルテンが2015年のFIA世界ラリークロスで、エクランド・モータースポーツとのパートナーシップにより、フォルクスワーゲン・ビートルで参戦する初めてのドライバーとなったことだ。それまではフォード・フィエスタSTで世界を舞台にレースを行っていたほか、ユーロスーパーカーにも参戦。2010年のデビュー以来、RXライトやRXスウェーデンにも参戦していた。今年の序盤には、ホルテンはツーリングカー・フィエスタで参戦したノルウェーラリークロス選手権に輝いている。現状では、ホルテン自身がプロジェクトEのドライバーになるという発表はない。
STARDの創設者でCEOのミハエル・サコビッツは、ホルテン・モータースポーツのプロジェクトE参入を歓迎できることに喜びを明かした。
「STARDとIMGによるプロジェクトEが公式に発表されたのは、わずか数週間前のこと。それなのに、すでに新カテゴリーへの参戦を表明して準備を進めているチームがいるのだ」とサコビッツ。
「ホルテン・モータースポーツが初めてチームとして公式に参戦を表明してくれて、うれしい。プロジェクトEはいよいよスタートする。2年後のことを話し合っているのではない。2020年からこのキットを購入してレースに参加することができるのだ。これほどシンプルな話はない」
「先日、ウイーンで行ったミーティングでは、ホルテンASのチームにこのマシンをドライブする機会を作ることができた。カスタマーであるホルテンASとともに、レーシングの新しい時代を歩み出せることを楽しみにしている」
プロジェクトEの2020年カレンダーは、先週発表となった。開幕戦は5月16-17日、ベルギーのスパ・フランコルシャンで、FIA世界ラリークロス選手権第3戦のサポートイベントとして開催される。