ラリーモンテカルロのエントリーリストは、エントリーの締め切りから3週間以上かかって、ようやくFIAが承認、発行された。総エントリー数は88台で、昨年は84台、2018年は67台だった。
シトロエン、シュコダからはいずれもワークスエントリーはなく、WRカーは合計11台(リトアニアのデイビダス・ジョシウスを含む。アルマンド・ペレイラはエントリーを取り消した)。WRC2は5台、プライベーターエントリーのR5が対象となるWRC3は13台、R-GTは、カプラッセのアバルト124ラリーのみだ。
サプライズは、マッズ・オストベルグのシトロエンC3 R5が、シトロエン・レーシングではなくPHスポールからのエントリーとなっていること。またオィット・タナックは、前年のドライバーズチャンピオンにリザーブされるカーNo.1は選ばず、前年からの8番を選んだ。最後にWRCが#1なしで開催されたのは2013年のラリーGBで、この年は前年チャンピオンのセバスチャン・ローブが引退を表明していた。FIAによると、タナック側からNo.1は与えないで欲しいとリクエストがあったということだが、レギュレーションでは各戦の初日の走行順は前年のドライバーズ選手権の順位を基準に決められると定めている。
今年はワークスチームのラインナップが大きくシャッフルされた。ワークス参戦は3チームのみ(ヒュンダイ、トヨタ、Mスポーツ・フォード)。ラリーモンテカルロにエントリーするシードドライバーのトップ10のうち、前年と同じチームから参戦するのは3人しかいない。タナックとセバスチャン・オジエに関しては、この3年間で3つ目のチームとなる。
WRC2にはヒュンダイ(マルッコ・マルティン、オィット・タナックとの共同プログラム)が初参戦したことで、Mスポーツ・フォード、シトロエン(エントリーはPHスポールから)の3チームとなり、前年のWRC2Proチャンピオンのシュコダからはワークスエントリーはない。R5マシンのプロとプライベーターチームの区別は変更され、旧WRC2ProはWRC2に、プライベーター部門はWRC3となる。FIAのエンジン容量による車両区分の番号も振り分け直され、旧R2マシンは今後はラリー4(RC4クラス)、旧R1マシンはラリー5(RC5クラス)と呼ばれるようになる。
レギュラーシートを獲得していないドライバーの多くが、まだプログラムを確定できずにいるが、WRCから退くものと見られていた8人のドライバーのうち、5人は今年何らかの形で参戦するのではないかと思われる。ただし、クリス・ミークは、自身からWRC引退を表明している。
(Martin Holmes)