2020年のダカールラリーは、1月16日、第11ステージのシュバイタ〜ハラド間379kmの走行が行われた。
前日を終えて、サービスメカニックからのアシスタントを受けることなく夜を過ごして迎えたこの日は、総合3番手につけるステファン・ペテランセルがベストタイムをマーク。自身のダカールキャリアの中で、通算80回目のステージウインを飾り、2番手につけるナッサー・アル‐アティヤとの差をわずか6秒にまで詰めて最終日を迎える。
「通常の環境の中でタイムを詰めるのは、本当に大変。一方で、ナビゲーションのミスで大差につながってきた。今日は一日中、ハードにプッシュしてタイムを詰めたが、それでも(首位には)届かなかった。カルロス(サインツ)が無事にフィニッシュできれば、チームとしては最高の結果だ」と語るペテランセル。
そのカルロス・サインツは、アル‐アティヤに10分17秒差を維持して最終日を迎える。
「マラソンステージを終えることができて、よかった。山場を無事に乗り越えるのはいつでも重要。昨日は自分たちでマシンの作業を行ったが、全て順調だった。残りはあと1日。明日は、全てのギャップに注意を払って集中を維持する」とサインツ。
アル‐アティヤは、サインツに追いつくことを目指しながら、後続のペテランセルにも注意を払わなくてはならず、MINI勢に挟まれた中で最後のステージに臨む。
「昨日のミスを必死に取り戻した。これで、ステファン(ペテランセル)との2位争いとなる。ここまでは素晴らしい内容になっている。残りは1ステージ、その結果を待つ」
2020年のダカールもいよいよ最終日を迎える。17日は第12ステージのハラド〜キディヤ間の374kmを走行した後、フィニッシュを迎える。
2020年ダカールラリー 暫定結果(第11ステージ終了後)
1 C.サインツ(MINIバギー) 41:37:51
2 N.アル-アティヤ(トヨタ) +10:17
3 S.ペテランセル(MINIバギー) +10:23
4 Y.アルラジ(トヨタ) +47:57
5 G.ド・ヴィリエール(トヨタ) +1:06:34
第10ステージ、トヨタ・ランドクルーザー200で参戦しているトヨタ車体のチームランドクルーザー・トヨタオートボデーは、クリスチャン・ラヴィエル/ジャン・ピエール・ギャルサン組、三浦昂/ローラン・リシトロイシター組が、それぞれ総合28番手、32番手で、市販車部門での1−2体制を維持している。
強風のためにステージ後半がキャンセルとなったこの日、338号車は左フロントのサスペンションに多少のダメージを負いながらも、無事に一日を走り終えた。
「サスペンションにダメージを受けた他、1本のパンクがあったが、明日の走行に支障はない。ビバークには大きなプレハブの建屋があり、そこで休めるようなので、点検が終わったら早く寝て明日に備える」と三浦。
日野チームスガワラの菅原照仁/染宮弘和/望月裕司組(HINO 500)も、トラック部門14番手でステージを終え、総合順位10番手を維持している。
堅実な走りで砂丘を乗り切り、ナビゲーションがトリッキーな区間も無難に乗り切ったチームの1号車。ドライバーを務める菅原は「砂丘といっても、台地の上にあるウネのような砂山を越えていくもの。降りる際は急減速し、降り切ったらすぐに全開加速をするのだが、大型のライバル勢には加速で置いて行かれる。明日はビバーク周辺の高い砂丘を通過するはずなので、楽しみ」と語った。