ローブのリタイアという波乱によって、ひとり旅となってしまったラトバラ。「集中力を切らさないように走るのが難しい」とコメントしながらも、シーズン初優勝に向けて視界は良好だ。
ここでにわかに熱を帯びてきたのがヘニング・ソルベルグとクリス・ミークによる3番手争いである。ファーストループを終えた段階で、3番手ヘニングと4番手ミークの差は21.3秒。サービスを挟んでスタートしたSS21ではミークがSS3番手タイムをたたき、ヘニングとの差を一気に13.3秒まで縮めてきた。続くSS22でもミークは4番手タイム。ヘニングの背後1.8秒まで詰め寄り、プレッシャーを与える。
そして迎えた最終パワーステージ。舞台となるのはわずか4.36kmのSS22、Monumentだ。ファーストループではミークが3番手、ヘニングが1.3秒差の4番手タイムを出している。
リバーススタートのパワーステージで先にスタートしたミークは、なんとスピンを喫して5秒以上のタイムロス。危なげなく走り切ったヘニングがミークとの総合タイム差を7.2秒まで広げ、久々の表彰台を獲得した。パワーステージはオジエ、ソルド、ラトバラというオーダー。
最終結果は、首位を守ったラトバラが今シーズン初優勝、2位には開幕戦以来の表彰台となるオストベルグ。そして3位にヘニングというオーダーとなり、フォードが表彰台を独占した。以下4位はミーク、5位にマシュー・ウィルソン、6位はフィエスタRS WRCで健闘したオィット・タナックとなった。