WRC開幕戦ラリーモンテカルロは競技3日目25日(土)の走行を終えて、トヨタのエルフィン・エバンスが総合首位。2番手には同じくトヨタのセバスチャン・オジエがつけている。3番手はティエリー・ヌービル、4番手にセバスチャン・ローブとヒュンダイ勢が続いている。
競技3日目はSS9〜SS12の計4SS、75.20km。ふたつのSSを2度ずつ走行する構成となっている。オープニングのSS9でベストタイムをマークしたのはヌービル。上位を争うオジエとエバンスも僅差につけ、トップ3の総合順位に変動はない。このSSでは勝田がブラックアイスに乗ってスノーバンクにヒットしスピン。バンパーから雪を掻き出す作業に時間をとられ、SSベストのヌービルから3分42秒4遅れと大きくタイムロスを喫してしまった。勝田はこのため総合順位をひとつ落とし、8番手に。
続くSS10では気温が予想以上に上がったことから雪が融け出すセクションもあり、ありとあらゆる路面状況が混在する難しいコンディションに。そんななか一番時計をたたき出したのはエバンスだ。SS2番手タイムのオジエに7.6秒、SS3番手のヌービルに13.8秒という大差をつけ、ラリーリーダーの座をオジエから奪ってみせた。午前中の2SSを終えた段階で、首位エバンスとオジエの差は4.8秒、オジエとヌービルの差は11.8秒となった。
サービスを挟んで午後のSSは午前中の2SSの再走ステージとなる。トップ4のタイヤ選択はいずれも同じく、スーパーソフト5本で臨む。SS11ではヌービルが再びベストタイムをマークし、じわりとその差を詰めにかかる。SS2番手タイムはオジエ、SS3番手タイムはエバンスだが、オジエとエバンスの差はちょうど4.8秒。ここにきてふたりが同タイムで総合首位に並ぶこととなった。
この日残されたSSはひとつ、SS10の再走となるSS12だ。晴れていた午前中と違いステージには雲がかかり、コンディションはいっそう難しくなっている。ここでヌービルは渾身の連続ベストタイムをマーク。オジエ、エバンスとの差をさらに削ることに成功した。一方のオジエは凍結路のセクションでやや慎重になりすぎたと語り、このSSでヌービルに9.5秒の遅れを喫してしまった。
これにより総合首位はエバンス、総合2番手にはオジエ、3番手ヌービルという結果に。エバンスとオジエは4.9秒差、オジエとヌービルは1.5秒差となり、最終日に向けてにわかに緊張感が高まってきた。総合4番手のローブはSS12でハーフスピン。背後のラッピが好タイムをマークしたこともあり、ふたりの差は14.1秒に縮まっている。勝田はSS9のスピンを除けば大きなタイムロスを喫することもなく、難しいコンディションを走り切り、SS12で順位をひとつ上げ7番手でこの日を終えた。
ラリーはギャップでのサービスを終えてから、250kmほどのロードセクションを走り一路モナコへと向かう。最終日はSS13〜16の4SS、63.54km。サービスを挟まない設定のため、最後まで気の抜けない戦いが続く。SS13は日本時間26日(日)16時17分スタート。
WRCモンテカルロ SS12後暫定結果
1. E.エバンス(トヨタ・ヤリスWRC) 2:28:35.1
2. S.オジエ(トヨタ・ヤリスWRC) +4.9
3. T.ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC) +6.4
4. S.ローブ(ヒュンダイi20クーペWRC) +2:24.3
5. E.ラッピ(フォード・フィエスタWRC) +2:38.4
6. K.ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC) +3:27.3
7. 勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC) +10:31.1
8. E.カミリ(シトロエンC3 R5) +11:15.2
9. M.オストベルグ(シトロエンC3 R5) +12:13.7
10. N.シアマン(シトロエンC3 R5) +12:39.5