2020年のWRC開幕戦ラリーモンテカルロに姿を現した各ワークスチームのマシンをチェックするシリーズ。第2回目はヒュンダイi20クーペWRC。
続いてはエンジン、内装、サスペンションをチェックする。
エンジン・内装
エンジンは低く押し込められており、バルクへッド側に25度傾けて搭載されるがその全体像をうかがい知ることはできない。2019年12月に公認を取得した新エンジン投入の時期は未定。
ステアリングにはダイヤルスイッチとウインカーやローンチコントロールなどシート状のスイッチが並ぶ。写真はセバスチャン・ローブのマシンで、シートブラケットは高さが2段階に調節できるようになっている。間隔は10mm強で、高い方がグラベル、低い方がターマック。
ヘルメット用のハンモックで全体像ははっきりと分からない。サスペンションが外されているため、ストラットタワー付近にバルブが置かれている。
サスペンション
写真は左フロントサスペンション。ダンパーはフランスのPKMコンサルティング製を使っている。ブレーキローター/キャリパーはブレンボ製。インナーフェンダーはいくつかの形状のものが公認を取得しており、写真のものはエンジンルームと接続されているようにも見える(“−”の上の部分)。
写真は左リヤサスペンション。ストラットは垂直に近いかたちで配される。ブレーキローターの前側(写真左側)に見えるダクトはブレーキ冷却用。ブレーキ冷却方法については、リヤクオーターウインドウ下の吸気口からダクトを介する方法などいくつかのパターンで公認を取得している。リヤクオーターウインドウ下の吸気口はリヤデファレンシャルの冷却用としても用いられるが、デフ冷却用のエアは左側のみから取っている。ホイールアーチの奥に見えるダクトがリヤデフ冷却用だ。
次ページ:i20クーペWRCはこんなマシン