2020年のWRC開幕戦ラリーモンテカルロに姿を現した各ワークスチームのマシンをチェックするシリーズ。第3回目はフォード・フィエスタWRC。
続いてはエンジン、内装、サスペンションをチェックしてみよう。
エンジン・内装
金色の吸気ダクトが目立つエンジンルーム。エンジン本体は25度バルクへッド側に傾けて搭載されている。ボンネット上のエアアウトレットには、インタークーラー/ラジエターからの熱気を導くダクトが設けられる。
ステアリングが取り外された状態のコクピット。シフトチェンジはステアリング右側に設けられたパドルで行う。シフトポジションほか様々な情報を表示するモニターはコスワース製。
ロールケージを透かして、ドライバー/コ・ドライバーのシートの高さの違いがよく分かる。ロールケージには応急修理用のパーツがタイラップで留められており、X字型のガセット部分には“TOE LINK”、“STEERING ARM”などの表示が見える。
サスペンション
写真は右フロントサスペンション。車室側に大きく後傾しているのは従来どおりの特徴。これによりサスペンショントラベルを稼ぐ狙いがある。ダンパーはドイツZF製か。ホイールハウス奥の2本のパイプはブレーキ冷却用。1本はブレーキキャリパーに直接接続され、もう1本はハブにマウントされる。
写真は右リヤサスペンション。2017年以降はやや前傾したかたちで取り付けられている。内側に伸びる3本のパイプのうち2本はブレーキ冷却用、一番上の1本はリヤデファレンシャル冷却用と思われる。
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