APRC第5戦ラリー北海道は10月2 日、最終日となるレグ2・8SSの走行が行われ、グループR4仕様のスバルインプレッサWRX STIの新井敏弘が一度も首位を譲らず、2位に2分19.3秒もの大差をつけての完全勝利を果たした。
APRC選手権での争いは、レグ1の最終サービスで田口勝彦がセミR4仕様に改装したばかりの三菱ランサーエボリューションXのリアをグループNに戻す決断。チームメイトのギルがリアの足回りを破損し、R4仕様のスペアパーツがないため、ポイント面でタイトル獲得の可能性を残しているギルの戦闘力を優先させるために、田口車のR4パーツを移植したもの。
このサービスの出発が3分遅れ30秒のペナルティが課せられた田口は、レグ1の最終順位でギルに+8.0秒遅れの2位に後退となった。
3位アリスター・マクレー(プロトンサトリアネオS2000)との間には35.6秒のギャップを築いてレグ2を迎えた田口だったが、この日はマクレーが序盤から猛プッシュ。午前のセクション4SSだけで、その差は+19.8秒にまで縮まった。
しかし追われる田口も、これ以上ないほどのハードな攻めを見せ、8.4秒差で迎えた最後の本格的なステージ、10.78kmを迎える。ここで田口はマクレーを0.4秒先行して2位を死守。MRF陣にとって、今季待望の1-2フィニッシュとなった。
前日、エンジントラブルでリタイアとなったクリス・アトキンソンはこの日を再スタートしなかったため、アトキンソン、マクレー、ギルが中国での最終戦でタイトル獲りに挑む。
一方の全日本選手権は、レグ1を首位で折り返したペルタミナクスコレーシングの柳澤宏至(三菱ランサーエボリューションX)がこの日も快走。
その差を1分16.3秒にまで広げての圧倒的な強さで、全日本・APRCを通しての悲願の自身初勝利を果たした。