今季、ERCで海外ラリー参戦活動を復活させるチームMRFタイヤは、プロジェクトの規模を拡大することを発表した。ERC参戦のドライバーとして、既報のクレイグ・ブリーン(ヒュンダイi20 R5)に加え、フィンランドの成長株、エミル・リンドホルムを起用する。
リンドホルムはグラベルラリーに専念し、3月26‐28日の開幕戦ラリーアゾレス(グラベル)で初戦を迎える。リンドホルムがドライブするのは、シュコダ・ファビア・ラリー2 Evoで、2タイプのマシンをそれぞれ異なるチームで走らせることで、MRFタイヤはデータ収集の加速を狙う。
「MRFタイヤはとても真剣に取り組んでおり、すでにウインターラリー向けの素晴らしい製品を持っている」と語るリンドホルムは、2月に開催されたラリースウェーデンではWRC3部門で2位フィニッシュを飾っている。
「彼らがERCで活躍し、開発へのプッシュを続けていくことは間違いない。個人的には、MRFタイヤに知識の面で役に立ち、競技タイヤのレンジ開発に貢献したいと思っている。クレイグ(ブリーン)も一緒なので、自分たちにとっては基準となってくれる」とリンドホルム。
「タイヤの開発担当ということも重要だが、クレイグは先日のフィンランド選手権戦イタラリーでは、自分たちがスノーで見たことがないようなタイヤでとても速かった。つまり、とてもいい製品だということだから、自分たちが履いてもいいタイムが出ることが期待できる。自分のキャリアにとって重要なことだし、MRFタイヤも好タイムを期待していると思う」
リンドホルムのアゾレス参戦は初めてとなるが、元WRCのワークスドライバーであった父のセバスチャン・リンドホルムはこのイベントに3回参戦している。
「今のところ、オンボード動画を何度か見ただけだが、ステージの性格やコンディションのヒントになった。父がアゾレスに参戦したのはずいぶん前だが、話を聞いてみたいと思う。それ以外には、準備できることはあまりないと思うけれどね」
リンドホルムはアゾレス戦の後、ラリーリエパヤ(5月29‐31日)、ラリーポーランド(6月26-28日)の参戦が確定しており、今後、追加でさらに一戦を決定するという。