WRCラリーメキシコのシェイクダウン後に行われたプレイベントカンファレンスの内容(抜粋)。選手権リーダーとしてメキシコを迎える英国ウエールズ出身のエルフィン・エバンス。高地や暑さへの準備についての質問に、日差しの少ない母国の天気を憂いながら語った。
●WRCプレイベントカンファレンス出席者
エルフィン・エバンス=EE(トヨタ・ガズー・レーシングWRT)
エサペッカ・ラッピ=EP(Mスポーツ・フォードWRT)
ダニ・ソルド=DS(ヒュンダイ・シェル・モビスWRT)
Q:エルフィン、ティエリー・ヌービルと同ポイントの選手権リーダーとしてラリーメキシコを迎える。午前のシェイクダウンを受けて、好リザルトを収めるのはどれくらい難しいと感じているか
EE: シーズンはいいスタートができた。もちろん、シーズンのこの段階で自分がいつもいる順位よりも、今の立場はハッピーだ。今回、自分の走行順は理想的ではないかもしれなくてもね。
Q:デイ1のステージをレッキしてみて、どれくらい不利になりそうだと思うか
EE:正直、よく分からないね。3本のステージは、微妙に路面が異なる。でも、影響がどこまで及ぶかは本当に分からない。もちろん、砂利掻きの負担はある。グラベルラリーを走ったことがあれば、みんな知っていることだ。その時になってみないと分からないね。
Q:全体として、トヨタ・ヤリスはこの標高ではどんなフィーリングか。高地に向けて、体力面でのトレーニングを積んできたと思うが
EE:正直、標高については対応が難しい。自分が聞いた話では、標高に完全に慣れるには数週間かかって、やっとベストの状態になれる。だから、とにかく暑さに慣れるのが精いっぱい。12月、1月、2月のウエールズではこんな天気にはならないから、暑さに慣れて出来る限りの対応に努めるしかないと思う。
Q:同ポイントで選手権リーダーになっている状況。シーズンのこの時点では、自己ベストだ。ドライビングや自信のレベルの点で、なぜこのような変化が表れたのだと思うか
EE:2018年は本当に悪いシーズンだったと思う。あれ以来、そしてあの年の終わりに向けて、今までの方法を少し変えて少しいいパフォーマンスが出始めた。去年はその効果が出始めて、今年、ここまでうまく行っている。たぶん、それほど大きなことではないと思うし、やみくもに踏み続けるよりも、もっとテクニックに専念しているからだと思う。
Q:エサペッカ、モンテ、スウェーデンを終えて、このマシンでの3戦目だ。もう、フィエスタと一体になっている感じはあるか
EP:いい感じだよ。1日半、いいテストができて、できる範囲ですべての選択肢を試してみた。ジオメトリー、ダンパー、デフなどもね。だから、マシンは最善の状態になっていると思う。
Q:昨年のこのイベントは厳しい内容になったし、隣に座っているふたりに比べるとこのイベントでの経験はあまりない。今回は、どんな結果が出せると思うか
EP:分からないね。こうした質問をいつも受けるけど、フィニッシュにならないと分からないからね。だから、4番って言っておこうかな!(笑) 正直な話、厳しい週末を経て4位につけられれば、かなり満足だと思うよ。メキシコはいつもドラマの連続だ。マシンにもクルーにも厳しいし、パンクのリスクも高い。なんのドラマもなく、うまく走り切りたいね。
Q:多くのドライバーがこのイベントに向けて何かしら準備をしてくる。今回はグラベルが多く、スーパーSSもある。全部で9本だ。スーパーSSに向けて、どんなトレーニングを行ったか
EP:トレーニングという意味では、先週はサウナに入った。暑さのためには、いいトレーニングだ。スーパーSS用のトレーニングは、ゴーカートコースをWRカーで走ったよ。でも、それをやっているチームは僕らだけじゃない。ゴーカートのコースはラリー車には明らかに狭すぎるけど、すごくいい練習になると思う。ここのステージは、自分はあまり強くない。去年は1本目でベストを獲ったけど、通常は自分が得意なステージではないな。
Q:どうすれば、ショートのスーパーSSでタイムをロスせずに済むのか
EP:自分も方法を見つけているところだよ。いつもタイムをロスするから。だから、ここにいる人たちに聞いてみてよ。彼らの方が、いつも僕より速い。
Q:では、ダニに聞いてみよう。メキシコでは何年も参戦経験がある。あの短いステージでタイムロスを減らすにはどうすればいいか
DS:分からないよ。僕は、あのタイプのステージのスペシャリストじゃないし、特に今日のSS1はトンネルを通過するかなり難しいステージだ。長いラリーのスタートとしては、あのような短いステージから始めるのは難しい。サーキットのステージの方が格段に楽しいが、このラリーの開幕SSは自分向きじゃない。タイムロスをしないようにがんばるよ。明日は1日が長いからね。
Q:ダニ、今年最初のWRC戦だが、モンテカルロではティエリーのセーフティクルーを務めていた。今後もその役をやっていくことはあるのか
DS:ティエリーが勝ったのは彼が速かったからだと思う。自分も少しは役に立ったかもしれないけど。まったく異なる経験だった。朝早く起きなくてはならないからではなく、周りが凍ってるなかで作業をうまく行うのは、大変だ。難しい仕事だということは知っていたが、プレッシャーがかかると本当に難しい。
Q:今回は走行順に恵まれているが、アドバンテージを活かすのか
DS:最高の走行順という感じだね。ベストを尽くしたい。特に初日だね。8番か9番手スタートで、WRカー勢では最後だ。アドバンテージを活かして行くよ。