世界ラリークロスのeSportsシリーズ、世界RX Esports Invitationalは、初開催イベントが4月19日にサーキット・デ・バルセロナ‐カタルニアサーキットのコースで行われ、招聘されたプロドライバー、ゲーマーの参加者の中から、現実の世界RXドライバーであるスウェーデンのマティアス・エディエルソンが優勝を飾った。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行により開催が延期された2020年世界RXカタルニア戦。予定されていたとおりの同じ週末、同じコースで、Codemasters、Motorsport Gamesとの協力により行われたこの初開催イベントには、20人のドライバーが参戦した。
アウディS1で走行したエディエルソンは、セミファイナル2、ファイナルラップで大混乱が生じる中を2番手でフィニッシュして、ファイナルに進出。実際の世界ラリークロスと同様に6ラップで行われたこのファイナルでは第1コーナーを抜けてリードに立つと、Eスポーツ界の世界ラリークロス最強豪のふたり、チェコのルーカス・マテヤ、現DiRT Rally 2.0世界ラリークロスチャンピオンでフランスのキリアン・ダローモを抑え切り、フィニッシュまでこのアドバンテージを守り切った。
「夢中で勝ちを目指したよ。ジョン・アームストロングと一緒にたくさん練習したが、レース全体で勝てたなんて最高」とエディエルソン。
「このようなイベントが開催されるのは素晴らしいし、世界RXドライバーがたくさん参加したので、超クール。たくさんアドバイスを与えてくれて、Eスポーツでも自分の力を信じてくれたWERT Esportに感謝している」
最終ラップのオーバーテイクでは、SET Esportsのダローモが2番手に浮上してフィニッシュ。ダローモはセミファイナル1をトップで通過し、ファイナルでも好スタートを決めていたが、ワイドになり、エディエルソンにリードを譲った。
リアルの世界RX勢からは、2019年チャンピオン、ティミー・ハンセンとケビン・アッブリングもファイナルに進出。GCコンペティションのアッブリングはファイナルで一時2番手にまで浮上したが、終盤はハンセンと4位を争う展開となりこれを制した。セミファイナル2をトップフィニッシュしていたハンセンは、ファイナルのラップ1では3番手を走行。しかし、ラップ2でジョーカーラップに入った後、この時点でジョーカーを消化していたマテヤ、ダローモの後ろとなる5番手に後退した。
「初めての世界RX Eスポーツ参戦は、本当に楽しかった」とハンセン。
「アドレナリンが高まるチャンスがなかったので、レースができて本当によかった。もちろん、実生活のレースとは同じではないけれど、いろいろな点でとても似ているところはあった」とハンセン。
「自分のリザルトにはとてもハッピー。オンラインでのレースは初めてだったので、予想よりも順調に進んだ。予選セッションで1回勝って、セミファイナルでも勝てたからうれしいよ」
実際の世界RX同様、今回もセミファイナルはドラマの連続だった。世界RXドライバーの中でも見事なパフォーマンスを披露していたMonster Energy RX Cartelのアンドレアス・バックラッドが、予選の間は、ケビン・ハンセンとスリリングなレースを見せた。セミファイナル2では、元DiRT Rally 2.0世界チャンピオンのジョン・アームストロングと激戦となって2番手に後退した後、終盤はマテヤとサイドバイサイドで接触。あと一歩のところでファイナル進出を逃した。
8500人が参加した一般予選をトップ通過したEスポーツドライバーのカンタン・ダローモは、中間リザルトではトップに立ったが、セミファイナル1でスピンを喫した後、転回する際にケビン・ハンセンの走行を妨害したことで10秒のペナルティが与えられた。
今回参加した20人の中では、ヨーロッパラリークロス選手権スーパー1600チャンピオンのマリウス・バーミングラッドも見事なパフォーマンスを披露。人気ユーチューバーのジミー・ブロードベントとFailRaceも、現実とバーチャル、それぞれ経験豊富なドライバーが混合する中で健闘した。
世界RX Eスポーツ Invitational カタルニア ファイナル結果
1 マティアス・エディエルソン(スウェーデン)
2 キリアン・ダローモ(フランス)
3 ルーカス・マテヤ(チェコ)
4 ケビン・アッブリング(オランダ)
5 ティミー・ハンセン(スウェーデン)
イベントの模様は世界RXのYouTubeチャンネル内で公開、視聴することができる。
https://www.youtube.com/watch?v=e7HWxDCNBcI