フォルクスワーゲン・モータースポーツは、ピレリからフォルクスワーゲン・ポロGTI R5専用の競技タイヤ供給を受けることを発表した。今後は、テストでもピレリタイヤを履いて行うとしており、ピレリが、フォルクスワーゲンのモータースポーツ部門の公式サプライヤーとしてのパートナーシップを結んだことになる。ポロGTI R5は2019年までに50台が供給されており、同マシンを使用するカスタマーチームの成績は、合計で4タイトル、通算75の総合優勝またはクラス優勝、ポディウム回数は150に上っている。
ポロGTI R5のためにピレリが供給するのは、ターマック用P Zero RAのハード、ミディアム、ソフト、スーパーソフトコンパウンドの235/40-R18(サイズ20/65-1)。グラベル用にはScorpion K、ウインターラリー用にはSottozero IceとSottozero Snowが用意される。
「フォルクスワーゲンのカスタマーラリープロジェクトの公式サプライヤーとしてピレリを迎えることをうれしく思う」とフォルクスワーゲン・モータースポーツディレクターのスベン・スミーツ。
「ピレリは、ラリーで素晴らしい成功を収めたタイヤの代表格であり、R5規定で開催される国際及び国内戦シリーズでも広く普及している。我々のカスタマーもポロGTI R5に供給を受けることで、トップクラスで多くの成功を収めたタイヤの技術を手にすることができる」
「我々のラリータイヤに盛り込まれた技術は、トップレベルのモータースポーツでの長きに渡る経験から生まれたもの」とピレリのラリー活動マネージャーのテレンツィオ・テストーニ。
「今回のポロGTI R5に関するフォルクスワーゲンへの協力は、マシンとタイヤ間での最善の相互作用を開発し、競技で最大のパフォーマンスを引き出すために、ピレリが世界のトップカーメーカーと行ってきた緊密な協力関係の集大成だ」
ピレリが、初めてラリーステージに登場したのは、1970年代。1973年に創設されたWRCの初シーズンも経験し、P7からP Zeroに至るまでに、世界タイトルを25回、WRC181勝をマークしている。2001年のリチャード・バーンズ、2003年のペター・ソルベルグ、2008年のセバスチャン・ローブのタイトル獲得は、そのハイライト。近年では、オリバー・ソルベルグがポロGTI R5にピレリを履いて、エストニアとラトビアのタイトルを獲得している。
ピレリとフォルクスワーゲンとの関係は、1976年に遡り、フォルクスワーゲン・シロッコのワンメイクカップ、フォルクスワーゲン・ジュニアカップに独占供給したことに始まる。ピレリは今後、WRCでも単独タイヤサプライヤーとしてWRカーへの供給が決まっている。