トヨタはフィンランドでヤリスWRCのテストを再開した。6月15日、トヨタ・ガズーレーシングWRTが公式ツイッターで伝えている。
ステアリングを握ったのはカッレ・ロバンペラ。約3カ月ぶりにヤリスWRCでグラベルロードの感触を確かめた。
また、このテストを紹介するトヨタ・ガズーレーシングWRTの公式ツイッターには、2021年シーズンも現行ヤリスで参戦すべく改良を重ねる旨が書かれている。すなわち2021年の投入を目指して開発が進められていた“GRヤリスをベースとしたWRカー”は来季登場しないということだ。
この“GRヤリスWRC”は、2月に雪のフィンランドでテストをスタート。3月にはスペインでグラベルテストも実施し、チームは開発の進捗に自信を見せていたが、新型コロナウイルス(COVID-19)の世界流行を受けFIAがテストを禁止したことで開発がストップしていた。トヨタは「GRヤリスとWRカー仕様の開発テストからは貴重なデータをたくさん収集した。今後はこのノウハウを活用して、2022年規定のマシンの設計に活用していく」としており、今後開発の重点を2022年の新規定ハイブリッドWRカーに移したものと思われる。
2022年からWRCのトップカテゴリーはエンジン+電気アシストのハイブリッドのパワーユニットを主軸にしたラリー1規定に大きく変わる予定で、開発コスト面から考えても21年までは実績のある現行WRカーを継続使用するというのが自然な流れだ。しかしトヨタはわずか1シーズンであっても完全なるニューマシン、すなわちGRヤリスをベースとしたWRカーで勝ちにこだわる姿勢を見せていた。