FIAは6月19日に世界モータースポーツ評議会(ワールドモータースポーツカウンシル、WMSC)のミーティングを開く予定としており、ここで2020年の再編成カレンダーが明らかになる見込みだ。
WRCはほかの選手権と異なり、選手権成立のための戦数規定はない。しかしFIAとWRCプロモーターはいずれも、今シーズンは選手権を成立させるためには少なくとも7戦(当初予定の14戦の50%)を開催したい意向があるようだ。さらに情報筋によれば、開催戦数を確保するため当初の2020年カレンダーには含まれていなかったラリーを追加することも視野に入れているという。
現在WRCでは7月のサファリ、8月のフィンランド、9月のニュージーランドに続き、10月末のラリーGBが開催キャンセルを発表。残されたラウンドは9月のトルコ、10月のドイツ、11月のジャパン、それに開催延期としたアルゼンチン、サルディニアの計5戦となっている。このうちサルディニアは、ラリーGBが抜けた10月に開催する可能性が高いという。
FIAとWRCプロモーターは各国の状況をみながら、開催可能な日程と、移動や物流に要するプランをどのように組み合わせるか、あらゆる可能性を視野に検討を進めているといい、移動の負担が少ない欧州圏内のラリーをカレンダーに加えるという案も挙がっているとのこと。FIAは4月、選手権規定の変更条件を緩和させるセーフガード規定を導入しており、安全基準がWRCレベルに達すると確証が取れれば、今季に限ってはイベント追加などの柔軟な対応が可能となっている。
WRCプロモーターのディレクターを務めるオリバー・シースラはスウェーデンのテレビ局が行ったインタビューにおいて、「セーフティは最重要事項であることは変わりはなく、これにより選択肢も限られてくる。ロジスティクスを考えれば、ヨーロッパでも島より本土で開催する方が進行しやすい。そういった点で、現実的に追加の選択肢となり得るラリーは4つか5つだ」と答えている。
「ヨーロッパラリー選手権レベルの開催経験を持つイベントで、これまでWRC候補イベントとして考えていたラリーも視野に入ってくる。すでに候補はいくつか挙がっており、何がどこまでできるか、話し合いも行っている」