トヨタのエルフィン・エバンスは、2021年カレンダーの確定作業を続けるWRCの上層部に向けて、ウェールズ・ラリーGBの独特な性質を評価してもらいたいと願っている。FIAのワールドモータースポーツカウンシルは6月、2021年カレンダーに関して先行して開催する9カ国を承認しているが、このリストにGBは入っていなかった。
2021年のカレンダーは10戦か12戦になるものと見られており、残りの開催枠を巡って、GBはより資金に恵まれたライバル国と争わなくてはならない。エバンスは母国ラリーがどれほどWRCカレンダーにふさわしいイベントであるかを訴える。
「GBは独特なイベントのひとつで、どのイベントもそれぞれに違いを持つ多彩な選手権を構成する一部。GBは常に、独自性を提供してきたと思うし、カレンダーにあるべき一戦だ。他のどのイベントも違う」
エバンスの2020年のタイトル争いには母国戦での戦いも含まれるはずだったが、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染流行を受けて6月に開催キャンセルを決めている。ウェールズ出身のエバンスは、イベントを影で支える主催チームやボランティアに対しても深く同情している。
「この国の出身ドライバーにとって、GBは常にカレンダーのハイライトだった」とエバンス。
「主催者の気持ちを考えても、本当に残念だ。彼らがこのイベントを支えるために本当に大きな働きをしてきてくれたのは言うまでもない。みんなの安全のために下した決断で、他に手の打ちようはなかった」
現在、トヨタのワークスドライバーを務めるエバンスは2017年、Mスポーツ・フォードから参戦した母国戦であるこのラリーGBで、自身にとってのWRC初優勝を飾っている。
(Graham Lister)