2020年のERCがいよいよ、7月24‐26日に開催されるラリーディローマ・キャピターレ(ターマック、イタリア)で開幕を迎える。新型コロナウイルス(COVID-19)の感染流行による影響でスタートが大幅に遅れた全6戦予定の新シリーズは、新しいドライバー、新しいチーム、新しいマシン、新しいルールと、心機一転で迎えるシーズンとなりそうだ。
2019年11月のERC最終戦ハンガリーでクリス・イングラムが最終ステージでアレクセイ・ルキヤナクを破ってタイトルを獲得したドラマチックな幕切れ以来となるERC戦。世界情勢は大きく変わってしまったが、世界最古を誇る国際ラリーシリーズが目指すのは、国内戦レベルから世界の舞台へ進んでいく競技者のために、コンペティティブなラリーでその道筋を提供することに変わりはない。
ラリーの拠点となるのは、ローマ南東部近郊のフィウッジ。ルートは、ローマ南部に15SS、合計197.80kmのターマックステージが設定される。使用するステージは6本で、うち3本を3回走行。FIAではCOVID-19の感染防止対策のガイドラインの一環として、1本のステージをできるだけ多く使用することを推奨している。イベントは7月24日午前にフリープラクティスと予選が行われた後、クルーはローマに向かい、サンタンジェロ城でセレモニアルスタートが行われる。
今季は、ターマック3戦、グラベル3戦で構成されるERCには、サブタイトルとしてERC1ジュニアと、ピレリタイヤのワンメイクとなるERC3ジュニアが設定。さらに、アバルト124ラリーのワンメイクシリーズ、アバルト・ラリーカップも併催される。また、ERCの公式燃料パートナー、P1レーシングフューエルはP1レーシングフューエル・ポディウムチャレンジも設定する。さらにイタリア国内選手権も併催され、地元強豪との競演にも注目が集まる。
COVID-19後の国際格式ラリー競技初戦として注目を集めるこのラリーディローマ・キャピターレには、87台がエントリー。リストに筆頭には、過去ERCタイトルを2回獲得し、昨年の今イベントを制した地元イタリアの強豪ジャンドメニコ・バッソ、2018年のERCチャンピオンで同年のローマ戦覇者アレクセイ・ルキヤナクが並ぶ。ルキヤナクは今季から、コ・ドライバーにディミトリー・エレミーフを起用。このローマ戦が新コンビでの初ラリーとなる。そのほか、昨年のERC1ジュニア、ERC3ジュニア、それぞれの王者であるフィリップ・マレスとエフレン・ラレーナもエントリー。さらに、チームMRFタイヤからの初参戦に臨むクレイグ・ブリーン、昨年はERC最年少優勝記録を更新したオリバー・ソルベルグ、ドイツ王者のファビアン・クレイム、WRC2にも参戦中のアドリアン・フルモーなど、国際舞台で活躍するドライバーも名を連ねている。
なお、今季からERCはポイントシステムが変更され、各戦の上位15人に、30〜1ポイントが与えられるほか、各レグの単独リザルト上位5人に5〜1のボーナスポイントも与えられることになっている。
現地では今週に入り、チームが続々とテストを実施。21日には主催者が設定したテストデイが行われた。クルー陣は22日、23日にレッキを行う。
ラリーディローマ・キャピターレ予告動画
https://www.facebook.com/FiaEuropeanRallyChampionship/videos/315796792892304/