新型コロナウイルス(COVID-19)の感染流行の影響により今季のWRC戦開催を見送ったラリーフィンランド。主催者であるAKKスポーツは、ラリーファンに聖地としての雰囲気を味わってもらおうと、フィンランドや国際舞台で活躍するモータースポーツスターを集めてのデジタルモータースポーツイベント、ネステ・ラリーフィンランド・eチャレンジをフィンランドの首都ユバスキラにあるルタッコ港で開催することを発表した。このイベントには2020年のデジタルレーシング・フィンランド選手権のファイナルも併催されるほか、エンターテイメントイベントも行われるという。イベントの模様は、フィンランドのテレビ局Yleが中継するほか、WRCでもストリーム放送を行う。
このイベントに登場するのは、カッレ・ロバンペラ、エサペッカ・ラッピ、テーム・スニネン、元F1ドライバーのミカ・サロらフィンランド人ドライバーに加え、現在フィンランドに在住する勝田貴元も名を連ねている。ドライバーたちはイベントに先駆けて、WRCプロモーター公認のeWRCコンセプトの一環としてシュートアウトも行う。このシュートアウトの模様は7月30日‐8月1日の間、WRCやラリーフィンランドのSNSチャンネルで伝えられる。このシュートアウトと、イベント当日の競技では、フィンランド中央部のSSが舞台となり、このステージはWRC公式ビデオゲームでも選択することができる。
「このイベントに参加できることになって、本当にうれしい」と語るラッピ。
「ラリーの仲間たちに、今年もラリーの雰囲気を味わったり、みんなで一緒に楽しんでもらいたい。このイベントを通じて様々なモータースポーツから関係者が集まるのは、素晴らしいことだ。そして、デジタルモータースポーツが、着実に人気を高めていることを示すことにもなる。どのSSを走ることになるのかはまだ知らされていないが、自分の得意なステージも入れてくれていることを願うよ(笑)」
フィンランドを代表するF1ドライバーのひとり、サロは「楽しくなりそうだね! みんながこのイベントのためにユバスキラに集まるのは素晴らしいことだよ」と語る。
「デジタルモータースポーツは本当にクールだし、シュートアウトでみんながどんな走りをするのか、とても興味深いね。デジタルモータースポーツは、単にステアリングを回すだけじゃない! ドライバーにとっては、通常どおりのチャレンジのようなもの。自分の経験を活かして、若者たちを本気にしてやりたいね!」
主催するAKKのCEO、マルクス・ハッキネンは「我々がパートナーたちとともに目指すのは、まったく新しい、楽しくて内容のあるイベントを国内外のスペクテイターに届けることだ」と語る。
「また、ユバスキラやその周辺の人々に、この奇妙で例年とは違う夏でも、特別でポジティブなラリー経験を届けられたらとも願っている。年々、成長を続けているデジタルモータースポーツのシーンはAKKにとって、新しいモータースポーツの時代というスピリットを共有するすべてのドライバーやスペクテイター、ラリーファン、そして我々のパートナーが一度に集結する素晴らしいプラットフォームだ」
WRCは、8月8日19:00 – 20:30 (フィンランド時間)、公式SNSチャンネルでファイナルやポディウムセレモニーをライブでストリーミング中継を行う。なお、現地ではCOVID-19のパンデミックにともない、現状の制限や安全指針に沿って運営が行われ、イベントエリアに入場できる人数も1000人に制限される。