IRC第6戦サタラリー・アゾーレスの会場で14日、STIのチーフエンジニア、嶋村誠がスバル・インプレッサSTI R4の公式プレゼンテーションを行なった。
R4規定のマシンには、すでに三菱ランサーエボリューションX R4とシトロエンDS3 R4があるが、大々的にメーカーが開発したコンペティティブなR4マシンとしては、このインプレッサがほぼ初めてのマシンと言っていい。
インプレッサR4は、従来のグループNマシンとS2000マシンとのパフォーマンスのギャップを埋める役割を果たす。これまでS2000とグループNのインプレッサでは、重量や改造範囲の問題などから大きな差が生まれてしまっていた。
「目標は、R4をS2000と対等に戦えるようにすることだ。しかし、(R4は)決して高価ではない」と嶋村。
「我々は軽量化、サスペンションのデザイン変更、冷却系のパフォーマンス改善によって、これを実現する。マシンを50kg軽量化し、S2000マシンに対して1kmあたり1秒以内のタイム差に収まるレベルにしたい。そして、それはすでに達成されている」
嶋村はマシンの新しいリヤサブフレームが、標準的なものよりも10倍の剛性を持ちながら5kg軽量化されていることを明らかにした。また、今週IRCに参戦している新井敏弘と奴田原文雄のマシンにはヨコハマタイヤの強力なサポートも受けながら、すでに更なる改善が施されていると語っている。
IRCアゾーレスは14日(木)にレグ1の3SSが実施され、新井がSS2で7番手タイムを刻むなどして総合10位、奴田原が堅実な滑り出しで14位につけている。