先週末、イタリアのラリーディローマ・キャピターレで国際的なラリー活動が再開したことで、チームやドライバーはそろって主催者を称賛した。
ERCの今季開幕戦となったこのイベントでは、地元やイタリア政府から開催の承認を受けるために新型コロナウイルス(COVID-19)の感染対策に関して厳格な対応を行わなければならなかった。
定期的な検温や手の消毒ポイントの設置、マスクの着用義務、バーコードを使用したトラッキングシステムなどの対策に加え、ファン向けのイベントをすべて中止にするなど“ドアを閉じた中で”ラリーが開催された。
Mスポーツ・フォードのチーム代表、リチャード・ミルナーは、ERC部門にR5マシンで参戦するアドリアン・フルモーや、併催されたラリースターズ部門にフォード・フィエスタWRCで参戦したマッシモ・ペドレッティに帯同してローマに入った。
「始まってすぐに、主催者の仕事は自分にはできそうにないと思ったが、この大役を務めあげたみなさんが本当に素晴らしいということは伝えなくてはならない」とミルナー。
「ラリー界は再開することが必要だったし、このイベントの主催者がそれを完遂したことは本当に見事だ。会場に設置されていた段取りや決まりごとは本当に厳しかったが、とても良識があり、みんながこのルールを守るように配慮されていた。様々な国からたくさんの人が来て集まるのは、(COVID-19のパンデミック発生後)初めてのことだったからね。このスポーツの人々はみんな、誰にもリスクが及ばないよう留意することができる良識とプロフェッショナリズムがあることを見せてくれた」
「ラリーが適切な時期にゴーサインを出したと捉えてもらい、他のイベントも再開できるようになってくれることを願う。我々が次に向かうのはWRCなので、どんな取り組みがうまくいったのかを理解し、WRCイベントにつなげていかなくてはならない」
WRCプロモーターのオリバー・シースラもラリーディローマ・キャピターレを訪問しており、ミルナーは自分の意見をフィードバックとしてシースラにも伝えたと語った。
「何がうまくいって、何がうまくいかなかったかというだけのことではない」とミルナー。
「よりよくするために、実用的であることを、どのように調整するか、ということなんだ。そして調整は最小限に抑えたい。主催者は、本当に膨大な作業をこなさなくてはならないのだからね。それを行っている彼らのことを、心からリスペクトするよ」
「あのエントリーリストの長さ(今回は87台がエントリー)を見れば、どれだけラリーへの意欲が高まっているかが分かるだろう。なんとしてでもラリーに戻りたいのだという、みんなの思いの表れだ。だからこそ、我々には、レギュレーションを遵守して、この一戦だけでなくもっとたくさんのラリーを行えるようにする責任がある」
(Graham Lister)