世界ラリークロス選手権は8月29〜30日、フィンランドのコウボラで第3戦と第4戦をダブルヘッダー開催する。世界RX戦がフィンランドで開催されるのは2014年以来だ。
新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより開幕が遅れていた2020年シーズンだったが、先週スウェーデンでようやく開幕。今季は7大会10戦を開催するカレンダーとなり、このフィンランドは前大会に引き続き2戦分を同一週末に開催する。シリーズ関係者180人は、スウェーデンからフィンランドへの移動を始める前にPCR検査を受け、全員が陰性であることが確認された。
スウェーデンで行われた第1戦と第2戦は、ヨハン・クリストファーソンとマティアス・エクストロームと元チャンピオンがそれぞれ1勝ずつマーク。第2戦でも2位に入ったクリストファーソンは、選手権リーダーとしてフィンランド戦を迎える。2ポイント差でエクストローム、KYBチームJCのチームメイト、ロビン・ラールソンが3番手につけている。
ケビン・ハンセンは選手権4番手でフィンランド戦を迎えるが、兄である2019年王者のティミー・ハンセンはスウェーデンで苦戦を強いられ、現在選手権8番手。チーム・ハンセンは、フィンランドで巻き返しを目指すことになる。
スウェーデンで世界RXでの自己ベストの展開を見せたALL-INKL.COM ミュニッヒ・モータースポーツのティモ・シャイダーは、選手権5番手。GCKビルシュタインのアントン・マルクルンドも今季を順調に滑り出し、選手権6番手でフィンランド戦に臨む。7番手にはGRXタネコのニクラス・グロンホルムが続いているが、チームメイトのティマール・ティマラザヤノフは現在選手権11番手。
モンスターエナジーGCK RX カルテルは、第1戦ではふたりのドライバーがいずれもファイナル進出を逃したが、第2戦ではアンドレアス・バックラッドが6位でフィニッシュし、選手権9番手に食らいついている。チームメイトのライアム・ドーランはスウェーデンでは週末を通してルノー・メガーヌのテクニカルトラブルに悩まされ、現在17番手に留まっている。現在15番手につけているUnkorruptedのゲラン・シシェリは、今回のフィンランドではチームメイトにケビン・アッブリングを迎える。
このフィンランド戦では他にも国内のトップクラスドライバーがエントリーしており、2019年のフィンランドチャンピオン、ユハ・ライトコネンはGRXタネコからヒュンダイi20をドライブ。2016年チャンピオンのエレ・カリオコスキ、何度もフィンランドタイトルを獲得しているアトロ・マアッタもエントリーリストに名を連ねている。ハンガリーのタマス・カライは、ヨーロッパ選手権からステップアップし世界戦に挑戦する。
今季から創設されたチャンピオン・ファスト・スタート賞でもクリストファーソンが首位に立っているが、今週末は20ポイントを獲得できることから、タイトル争いが一気に変動する可能性も十分にある。
今季2度目の世界RXが開催されるコウボラは、フィンランドの首都ヘルシンキから北東に130kmに位置する、フィンランド南東部のキュメンラークソ地方の最大都市。競技は29日10時30分(現地時間)から第3戦、30日9時40分から第4戦を実施。各日、予選を3回、セミファイナル、ファイナルが行われる。COVID-19の感染拡大防止対策として、今戦も無観客で開催される。世界RXの公式FacebookとYou Tubeチャンネルでは、イベントの模様をストリーミング中継で伝える。