米国の国内ラリー選手権、アメリカン・ラリー・アソシエーション(ARA)第3戦オジブエフォレストラリー(グラベル)が8月28〜29日、ミネソタ州北部で開催され、スバル・モータースポーツUSAのトラビス・パストラーナ(スバルWRX STI)が今季初優勝を飾った。チームメイトのブランドン・セメナックも3位に入り、チームはふたりとも表彰台を獲得している。
このオジブエフォレストラリーは、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックが発生して以来、初めて2デイで開催されたARA。パストラーナは7月に開催された前戦でエンジンから出火するトラブルでリタイアを喫しており、巻き返しを図っての参戦となった。ラリーカーを新たに製作し、コ・ドライバーも今回はオーストラリア出身で米国在住のリアノン・ジェルソミーノと組んで迎えたラリーで、パストラーナは金曜日の開幕ステージからいきなり後続を23秒引き離す快走を披露。翌SS2ではさらにリードを広げた。選手権では現在首位に立つライバルのバリー・マッケンナ(シュコダ・ファビア)も続く4本でベストタイムを連取して食らいついたが、パストラーナは20秒のギャップをキープして初日を終えた。翌日も最初の3本でベストタイムを連発して一気に40秒までリードを拡大すると、午後は堅実にリードを守る戦略で、自身6度目のオジブエフォレスト勝利を収めた。ARAでの優勝は、シリーズが始まった2017年に初代チャンピオンの座を決めたこのオジブエフォレスト以来だ。
「またポディウムの頂点に上がることができて、最高だよ」と勝利を決めたパストラーナはコメント。
「オジブエフォレストは大好きなラリーだし、いつもいい走りができるんだ! オハイオでマシンが燃えてしまった後、スバルとバーモント・スポーツカーが必死の作業でマシンを間に合わせてくれた。そのマシンは週末を通していい走りをしてくれたし、リアノンともいいペースノートを作ることができた。これでタイトル争いに望みをつないだが、シーズンに弾みをつけるためにも絶対に必要な勝利だった」
カナダ出身のセメナックは、金曜日は先頭スタート。最初のループはルーズグラベルに対応する一方でパンクも喫したが、グリップがよくなってきた2ループ目にペースを上げ、マッケンナを射程距離に収めての3番手で初日を終えた。翌日はマッケンナに追いつくために猛プッシュをかけ、SS11とSS12では米国ラリーで自身初となるステージウインもマーク。SS13で今戦2度目のパンクを喫したが、それでも3位でフィニッシュを果たしチームにダブルポディウムを献上した。
「2戦連続でポディウムに上がることができて、本当にうれしいよ!」とセメナック。
「本当に楽しいステージだった。ジャンプがたくさんあるし速度域もかなり高い。特に、砂がソフトなところでは、自信を持ってアタックできれば最高だね。マシンにもかなり慣れたし、楽な気持ちで速く走れるようになってきた。トラビスとバリーのふたりがすごく速かったので、彼らと台頭に渡り合えたステージもあったことがうれしい。シーズンの残りのイベントに向けて、勢いをつかんだ手応えを感じているよ」
今季のARAは残り2戦。スバル・モータースポーツUSAは次に10月2〜3日にミズーリ州で開催されるスノーミーラリーに参戦した後、11月の最終戦オリンパスラリーに臨む。
ARAオジブエフォレストラリー 最終結果
1 T.パストラーナ(スバルWRX STI) 126:41.5
2 B.マッケンナ(シュコダ・ファビア) +19.9
3 B.セメナック(スバルWRX STI) +1:37.8
4 R.ブース(フォード・フィエスタR5) 6:37.3
5 B.フェテラ(フォード・フィエスタ・プロト)8:10.6
6 J.シーホーン(スバルWRX STI) 10:44.3