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COVID-19対策下のWRC、コ・ドライバーの作業も複雑化

©TOYOTA

WRC第4戦ラリーエストニア、9月5日の競技を総合4番手でフィニッシュしたトヨタのカッレ・ロバンペラだったが、スチュワードにより1分間のペナルティが与えられ、首位に1分34.9秒遅れの6番手に後退した。ポディウム圏内まで6.7秒差だっただけに、手痛いペナルティとなってしまった。

主催者が発行したブルテンによれば、ロバンペラとコ・ドライバーのヨンネ・ハルットゥネンはSS10のスタートコントロールで、トヨタ・ヤリスWRCのラジエター前面にあるプレートをTCエリア内で外したことを認めた。TCエリアで作業できる内容はパルクフェルメと同等と規定されており、プレートを外すなどの作業は認められない。

TOYOTA

コ・ドライバーのヨンネ・ハルットゥネンは、TCでタイムカードのやり取りに専念していた際にプレートを外し忘れたことに気づいたが、作業が混乱していたため慌ててプレートを外した後、その作業が規定で認められていないことに気づいたという。このプレートは通常、タイムコントロールに入る前にクルーが取り外している。2019年11月に日本で開催されたラリージャパンのトライアルイベント、セントラルラリーでも、リエゾンでヤリスWRCのプレートを外す勝田貴元の姿が見られている。

TOYOTA

一方、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミック発生後、初のWRCとなったこのラリーエストニアでは、ウイルス感染防止のため様々な対策が行われており、これまで当たり前に行われていた作業も、二重三重の手間を余儀なくされている。メディアの取材もクルーとの距離を取らなければならないため特設のエリアを設置するなど、これまでのWRCでは見たことがなかったような光景が、今回のラリーでもあちこちで見られている。

RALLY ESTONIA / Jarek Joepera /

タイムコントロールでのチェックイン作業もそのひとつ。通常はコ・ドライバーとオフィシャルの間でタイムカードの受け渡しが行われ、オフィシャルがタイムを記入するが、この接触を減らすためにタイムカードのやりとりは窓越しに掲示して行わなくてはならず、コ・ドライバーが管理する作業も増えてしまう。こうした通常とは異なる作業に対応する苦労も、COVID-19の影響と言わざるを得ないだろう。

今回のペナルティの原因を作ってしまったハルットゥネンも「これで順位が6番手に下がってしまった。残念な気持ちだが、ルールはルール。完全に自分のミス」とツイートしている。この難しい状況下で奮闘するコ・ドライバーの苦労も労ってあげたいところだ。



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