全日本ラリー選手権第1戦唐津ラウンドは、勝田範彦/足立さやか(スバルWRX STI)が、初日の最終SSで奴田原文雄/佐藤忠宜(三菱ランサーエボリューションⅩ)を捉え逆転。0.5秒という僅差ながらも、開幕戦10連覇へ向け大きな一歩を刻んだ。
8本のSSが用意された初日は、4.26kmと3.95kmのSSを3回、11.76kmのSSを2回ループするという設定だ。前日に降った雨の影響が残り、ハーフウエット状態からスタートした序盤のSS1は新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)がベストタイム。同じく路面が濡れていたSS2は奴田原がベストタイムをマークし、新井に2.3秒差の首位に躍り出る。
一方、ドライセッティングで挑んだ勝田は、SS2を終えた時点でトップの奴田原から9.7秒差の3番手と大きく出遅れてしまう。だが、ドライ路面となったSS3で一気に挽回。奴田原に3.5秒差の2番手に浮上する。その後は一進一退の攻防が続き、SS7を終えた時点で両者の差は4.1秒に拡大。そして、SS3のリピートステージとなるSS8で、勝田が奴田原に4.6秒差のベストタイムをマークして逆転に成功。トータル0.5秒差でデイ1を折り返した。
ウエットセッティングで挑んだ新井は、ドライ路面となったSS3以降からタイムが伸びずに勝田から20.1秒差の3番手。新井と同じく新型WRX STIを投入した鎌田卓麻/市野諮は、SS5の途中からフロントの駆動系から異音がし始め、SS5をフィニッシュ後にデイリタイアとなった。
2年連続で86がチャンピオンとなったJN5クラスは、アバルト500ラリーR3Tの眞貝知志/漆戸あゆみがトップ、SS5のスピンで出遅れたトヨタ・ヴィッツGRMNターボの天野智之/井上裕紀子がトップから13.1秒差の2番手、プジョー208GTiを投入した柳澤宏至/中原祥雅がトップから18.1秒差の3番手と、ニューカマー勢が上位に並んだ。
JN4クラスは、石川昌平/石川恭啓と小濱勇希/馬場雄一ら20代ドライバーのスバルBRZがトップ争いを展開。JN5クラスでも4番手という速さをみせた石川が、小濱に4.9秒差のトップで初日を折り返した。
そのほか、JN3クラスは岡田孝一/鶴田邦彦(マツダ・デミオ)が、JN2クラスでは田中伸幸/藤田めぐみ(スズキ・スイフト)らベテラン勢が、2番手以降に大差を付けトップで折り返している。また、誰が勝っても全日本ラリー初優勝という戦いとなったJN1クラスは、松田保夫/杉原慶彦(マツダRX-8)がトップで初日を折り返した。
2日目は、3本のSSを2回ループする23.08km。勝田が逃げ切り前人未踏の10連覇を達成するのか、それともディフェンディングチャンピオンの奴田原が再逆転を果たすのか、午後からは雨の確率が40%という天候とともに、目が離せない勝負が予想される。
2日目オープニングのSS9は8時48分、最終のSS14は13時9分スタートの予定。