ヒュンダイは、2年にわたりWRCチームのワークスドライバーを務めたセバスチャン・ローブとの契約を終了することを発表した。
ローブとコ・ドライバーのダニエル・エレナは、2019年からヒュンダイに加入。この間、2019年ラリーチリと今年のラリートルコでいずれも2位を獲得し、チームにポディウムフィニッシュを献上した。また、2019年はチームのテクニカル面での開発にも貢献。チームはこの年、初のマニュファクチャラーズタイトルを獲得している。
2020年は、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより、起用を予定していたケニアとニュージーランドが開催中止となり、ローブの経験を存分に活かすことができなかった。しかし、9月のトルコでは、WRC9連覇を果たした輝きを失わないパフォーマンスを披露、イベントを通して優勝争いに絡み続けた。
ヒュンダイは、ローブとエレナに対してチャンスや必要が出てくれば歓迎する姿勢を持ち続けるとしている。一方で、ラリーレイドでの新しいチャレンジに乗り出すふたりの活躍を祈念する意も表した。
チーム代表のアンドレア・アダモは「2019年にふたりがチームに加入して以来、我々は彼らの優れた専門知識と経験に助けられてきた」と感謝を表した。
「我々のチーム運営のあらゆる面で、彼らのノウハウが直接的にも間接的にも役に立ってきた。昨年は、選手権争いや勝利の面でも彼らが貢献してくれた。ふたりの知識と競技に取り組む姿勢は、チリやトルコといったタフなラリーで完璧な形で表れていた」
「パンデミックの影響で、今季は予定していたとおりに彼らを起用することはできなかったが、トルコでのパフォーマンスは持ち前の能力と速さをすべての人々に印象づけた。次の舞台での活躍を祈念しながらも、ふたりがまた戻ってきたいと思う時のため、扉は大きく開けたままにしておく」
ローブは「ヒュンダイ・モータースポーツでの冒険が終わる時が来た。何と素晴らしい冒険だったことか!」とコメント。
「この2年間、スポット参戦をオファーして機会を与えてくれたことは、心からうれしかった。自分の期待どおり、とてもプロフェッショナルなチームで、居心地のいい雰囲気だった。あっという間の2年間だったよ。パンデミックにより数カ月を奪われてしまったが、自分のキャリアの一部として刻まれ、異なるマニュファクチャラーでのタイトル獲得という成功も加えることができた」
「自分にとって、ヒュンダイ・モータースポーツは、これまでドライブした中でも最高のWRカーを与えてくれたチーム。この最新世代のWRカーで、シリーズの最高峰レベルで戦えたことがうれしかった」
「2021年からは、新しいチャプターが始まり、プロドライブからラリーレイドに参戦するが、WRCについてどうなるかはまだ分からない。ヒュンダイ・モータースポーツも自分も、完全に本を閉じたいとは思っていないよ」