WRCの各マニュファクチャラーは、2021年から使用するピレリタイヤのテストを12月にも開始する模様だ。2021年からシリーズの公式タイヤサプライヤーを務めるピレリが明かした。
ピレリ自体はサルディニアで、グラベルタイヤのスコーピオン、ターマックのP Zero、レインタイヤのチントゥラートのテストを行い、すでに1400kmを走行。テストでは、サルディニア島を襲った大雨の中でヘビーウエットの走行も経験できたという。このウエットコンディションでのテストは、グラベル用のスコーピオン KXのソフトコンパウンドを試す機会にもなったようだ。開発ドライバーはアンドレアス・ミケルセンが務め、マシンはサンロックレーシングのシトロエンC3 WRCが使われていた。
ピレリのラリー活動マネージャー、トレンツィオ・テストーニは「ここまで収集したすべてのデータの分析に十分な時間を取っている。先日のウエットでのテストで、開発プログラムは予定どおり完了した。今後は、さらにグラベルのテストも予定している」と語った。
「新型コロナウイルスのパンデミックにより変更したテストプログラムを予定どおり続け、何のトラブルもなく、当初の開発はすべて完了した」
なお、このサルディニアのテストで、ミケルセンのピレリの開発ドライバーとしての役目はひとまず終了となった。
「素晴らしい仕事をしてくれたアンドレアス・ミケルセンには、心から感謝している。彼の速さと一貫性のある走りのおかげで、常に我々は限界までプッシュすることができた。また、速くて信頼性のあるマシンをこのテストに供給してくれたサンロックチームにも感謝したい」
来季、WRCに参戦するすべての4WDマシンでは、標準としてピレリタイヤを使用することになる。ピレリは、今年の1月にすでにスノーとアイスタイヤのテストを行っている。
(Graham Lister)