WRC第7戦として11月19〜22日に開催を予定していたラリーのキャンセルを発表したイープルラリー・ベルギー。ベルギー初のWRC開催が目前に迫りながら、新型コロナウイルスの感染流行が再び広がるなかで、苦渋の決断を下した。
「この短い準備期間でもWRCを開催することができることを証明してみせた全ボランティアのことを思うと、もちろん大変残念な結果ではある」と、ヒュンダイ・モータースポーツのチームマネージャーであり、クラブ・スーパーステージの代表も務めるアラン・ペナスはコメント。
「我々の努力と注力が無駄にはなっていないことを願うばかりだ。我々は今年、FIAとWRCプロモーターに対し、世界の状況にすぐに対応してイープルラリーをWRCレベルで開催することもできるということを示してきた。今回の開催キャンセルは避け切れない決断だったが、我々はWRC開催への意欲を持ち続ける。このキャンセルは、将来に向けた延期であることを願っている」
主催者であるクラブ・スーパーステージのヤン・ヒューグは、「我々は、COVID-19の感染対策を行った上でモンテベルグラリーとアオロバラリーを開催したばかりだが、現在の感染状況には対応できない」と述べ、「行政当局の指導を緊密に受けながら感染の状況を注視してきたが、残念ながら感染率は劇的に上昇を続けている。イープルラリーは、何年もの間、ヨーロッパのラリーで安全面での模範であり続けてきた。今回は、ここに健康という面もミックスされている。従って、我々は今回の決定を全面的に理解する」と語っている。
イープルでWRCが開催できる可能性については、140チームが名を連ねたエントリーリストに表れているとクラブ・スーパーステージは主張する。ベルギーでのラリー人気はこれまでにないほど高まっているとし、観戦チケットについては世界中から問い合わせが相次ぎ、イープル地方も世界にその名を知らしめたとしている。
またクラブ・スーパーステージとして、WRC開催プロジェクトに期待を寄せてくれたパートナーに対しての感謝も表明。そして2021年、素晴らしい形でイープルラリー・ベルギーを可能であれば最高峰レベルで開催するために、団結力をもってこの危機を乗り越えたいとしている。
10月9日に発表された2021年のWRCカレンダーにベルギーの名前は入っていないが、COVID-19の影響でいずれかのイベントに不測の事態が起きた時のリザーブイベントに含まれている。