11月に発売予定の「ワールドラリーカレンダー2021」。写真を撮影した小林直樹カメラマン本人による解説を、4回にわけてシリーズでお届けします。すでにお伝えしているとおり、今年は取材のチャンスが限られてしまったこともあり、小林直樹カメラマンが選ぶ思い出のラリーということでセレクトしました。A2変形判(縦420mm×横594mm)という迫力のサイズでお届けします。そのなかから、今回は7月〜9月分を解説!
また、こちらの商品はラリプラメンバーズ特典に含まれています。メンバーズにご入会いただいた皆さまには特典としてお届けいたしますのでお楽しみにお待ちください。
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◆7月
1998年ラリーカタルーニャ
トヨタ・カローラWRC
ここは5月の解説でもお話しした、カタルーニャで3本の指に入る撮影ポイントのうちのひとつ、高架下のヘアピンですね。今はまったく使っていませんが、カタルーニャといえばココ!というイメージの方も多いんじゃないでしょうか。ここは毎年こんな感じで人がすごくて。撮りに行くと駐車場所を確保するのも大変で、いちど行ったらもう動きたくなくなるくらい大変ですね。上は無料の高速道路ですが、普通は人をいれたりしないですよね(笑)、それを入れてしまうところにこのラリーのすごさを感じます。いちど、上から撮ろうと思って行ったことがあるんですが、もうギャラリーが何重にもなって満員ですごいんです。2列目3列目の人たちは自分たちで脚立を持ってきて見てますし、結局諦めました。
このカットは、カルロス・サインツがコーナーのイン側にだいぶ入ってきて、軽くカウンターも当たっていて姿勢が格好良かったのでチョイスしました。開催年によっては上りで使うこともあるSSですが、どこで撮っても絵になるコーナーですね。
◆8月
2005年アクロポリスラリー
三菱ランサーWRC05
あまりアクロポリスらしくない写真かもしれませんが、レッキの時にイン側にギャップがあるのを見つけて、絶対に跳ねるか飛ぶかするだろうと思って撮りに来たポイントです。狙いどおりに飛んでくれましたね。前の年は逆送で、逆光だったんです。それはそれで良かったんですが、この年は三菱とフォードが格好良く飛んでくれたので、それを選びました。ドライバーはジジ・ガリですね。青空と白い壁のコントラストも気に入っています。
アクロポリスでWRCをやらなくなってずいぶん経ちますが、たしかこの年は、初めてアテネのオリンピックスタジアムでスーパーSSをやった年です。サービスは200kmくらい離れたラミアにあったので、SS1が終わってから200kmくらい走ってまで戻ったことを覚えています。
◆9月
2008年ニュージーランドラリー
スズキSX4 WRC
ここのポイントは海がきれいに入るのでよく撮影に行きました。クルマで待っている時には霧がすごくて、ほとんど何も見えない状態だったんです。『あ〜ダメかな〜』と思いながら、クルマを降りてステージに向かい始めたら、だんだん青いものが見え始めて……一瞬で青い空と海が広がったんです。それまでホントにすごく深い霧だったので、強く印象に残っていますね。
ラリーは自然を相手にすることが多いモータースポーツなんだなとあらためて思います。レッキですごく景色のいい場所を見つけて撮りに行っても、当日は曇っていて何も見えなかったなんてことは何度もあります。海とか山とか、天候の変わりやすい場所での撮影はそういうリスクがつきものですが、この時はたまたまうまくいって、綺麗な海と空が見えましたね。
牧場の柵がすごくニュージーランドらしいなと思っているので、それを意識して左右に入れ込んでいます。あとはS字になった道の具合ですね。それと、ただ海が見えるだけの場所ではなく、バックに岬が入る場所を選んで撮影しているところがポイントでしょうか。
次回は10月〜12月分の解説を行いますのでお楽しみに!
◆第1回
https://www.rallyplus.net/73689
◆第2回
https://www.rallyplus.net/73840
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