ERCは、2021年の暫定カレンダーを発表。ふたつのイベントを組み合わせて機材を回す方式を2回設定することで、参戦コストの削減を目指したとしている。
ERCのプロモーターを務めるユーロスポーツ・イベンツが提案した2021年ERCの日程は、先日オンラインで行われたFIAラリーコミッションのミーティングで承認を受け、12月に行われるFIAワールドモータースポーツカウンシルで最終認可にいたる見とおしだ。
暫定の2021年カレンダーは、ターマック、グラベルがそれぞれ4戦ずつの全8戦。さらに、新型コロナウイルスの感染流行による制限などでいずれかのイベントが開催キャンセルになった場合の“スペアイベント”が3戦ノミネートされている。2021年カレンダーの新規イベントは、グラベルのラリーセラス・デ・ファフェ。WRCでも知られる豪快なグラベルステージを使用する。拠点はファフェとなるが、今季行われたファフェ・モンテロンゴで使用したターマックステージは一切使わないとしている。
2021年ERC暫定カレンダー
第1戦:ラリーセラス・デ・ファフェ 3月12〜14日(グラベル、ポルトガル)
第2戦:アゾレスラリー 3月25〜27日(グラベル、ポルトガル)
第3戦:ラリーイズラス・カナリアス 5月6〜8日(ターマック、スペイン)
第4戦:ラリーポーランド 6月18〜20日(グラベル)
第5戦:ラリーリエパヤ 7月1〜3日(グラベル、ラトビア)**
第6戦:ラリーディローマ・キャピターレ 7月23〜25日(ターマック、イタリア)
第7戦:チェコラリー・ズリン 8月27〜29日(ターマック)
第8戦:ラリーハンガリー 10月22〜24日(ターマック)
**イベントプロモーターとの合意待ち
スペアイベント
ラリーサンレモ(ターマック、イタリア)
キプロスラリー(グラベル)
スパラリー(ターマック、ベルギー)
イベント連戦でロジスティックのコスト削減
グラベル戦のラリーセラス・デ・ファフェとアゾレスラリーは、2021年ERCカレンダーのグループ連戦最初のひと組。3月14日にファフェが終了した後、ラリーマシン、トランスポーターそのほかのサポート車両を保管する場所を確保し、3月19日、アゾレスの舞台となるサンミゲール島に向けて海運を始める。
さらに、グラベルのラリーポーランドとラリーリエパヤも、ふたつめのセット連戦となる。この場合も車両を保管する場所を確保し、一週間後、ポーランド北部からラトビアに向けて機材を移動させる。こうした保管プランを手配することで、各チームはそれぞれのチーム拠点に不必要に機材を戻す手間がなくなり、余分なコストをかけることなく次のラリーに効率的に参戦手配を行うことができるようになる。さらに、島で開催されるイベントはふたつに減らし、この場合もボートによる運送や航空券の手配を無料で行うなどのサポートを行う。
一方、ERCジュニアは開幕を遅らせる。2021年も6戦で構成し、ベスト4戦のリザルト合計で争われる。カレンダー構成は後日発表するとしている。