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ERCカナリアス:オリバー・ソルベルグがERC1ジュニア王者に。ラリーはアドリアン・フルモーが逆転初優勝

©ERC / Grégory Lenormand / DPPI

2020年ERC最終戦となる第5戦ラリーイズラス・カナリアス(ターマック、スペイン)は11月28日、競技最終日となるレグ2に設定された8SS・102.10kmの走行が行われ、前日を2番手で終えていたアドリアン・フルモー(フォード・フィエスタR5 MkII)が逆転優勝。この結果、アレクセイ・ルキヤナク(シトロエンC3 R5)が2018年以来となるERCタイトルの獲得を決めたほか、激戦となったERC1ジュニアではオリバー・ソルベルグ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)がチャピオンの座についた。

Mスポーツ・フォードWRTが走らせるフォード・フィエスタR5 MkIIで参戦したフルモーは、これがERC初優勝。ERC1ジュニア部門でもトップフィニッシュを飾った。ミシュランタイヤを履くフルモーは、最終日の午前に雨が降るなかで首位に浮上すると最終ステージまで順位をキープ。2位には同じくミシュランを履くヨアン・ボナート(シトロエンC3 R5)が入り、フランス人ドライバーが1‐2フィニッシュを飾った。前日をトップで終えていたイバン・アレス(ヒュンダイi20 R5)は3位でポディウムに上がった。

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ソルベルグは前日の総合7番手から追い上げて4位に入り、ERC1ジュニア部門2位でフィニッシュ。同部門のタイトルを争うグレゴワール・ミュンスター(ヒュンダイi20 R5)が部門6位に終わったことから、ソルベルグのERC1ジュニアタイトル獲得が決まった。
「信じられない気持ちだよ。簡単なシーズンではなかったが、ERCでもルキヤナクに続く選手権2位に入れたことも素晴らしいよ」と語るソルベルグは、ERCタイトル争いでも、ルキヤナクに9ポイント差まで詰め寄る大健闘を見せた。ラトビアのリエパヤ(グラベル)で獲得した40ポイントは、1戦あたりの獲得ポイントとしては今季シリーズ全体での最高点だ。
「僕らはとにかくターマックでの経験を積みたかった。ERCはまさに、その経験を与えてくれた。毎戦が本当に激戦だったので、タイトルを獲得できたことはアメージングだと言っていい。これから2021年のプランを立てなくてはならないが、タイトルの特典でもらうことができる助成金をどのように使っていくか、考えていくよ」

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総合順位ではソルベルグに続いてホセ・シュアレス、アンドレアス・ミケルセンが続き、予選ステージ34番手から7位まで挽回した入ったアレクセイ・ルキヤナク(シトロエンC3 R5)は、タイトルに必要な条件の順位を死守して、2018年以来のERCタイトル獲得を決めた。

サンロックジュニアチームが走らせるC3 R5にピレリタイヤを履くルキヤナクは、今季ここまではディミトリー・フェオファノフと組んでいたが、この最終戦では長年の相棒であるコ・ドライバー、アレクセイ・アルナウトフとのコンビを復活させて臨んだ。変わりやすい天候の中でタイヤチョイスが合わずに苦戦を強いられながらも、スタートからフィニッシュまでミスのない走りでタイトルをもぎ獲った。
「ここまで膨大な作業に取り組んできた。それがいま、歴史を作った」とルキヤナク。
「長く厳しいシーズンとなったが、いい形で今回のラリー、そしてシーズンを終えることができて本当にハッピー。自分のドライビングには基本的に満足している。今日は今ひとつだったかもしれないが、シーズンを通して強く、手堅いパフォーマンスを見せることができたし、かなり一貫性を保てた。自分たちは成長できたが、限られた体制のなかで戦うのは、何とかやってはきたが楽ではなかった」

「今後はさらに厳しくなると思うので、自分たちも対応していかなくてはならない。でも、今回のタイトルはシトロエン、トタル、サンロック、ピレリからのサポートがなくては、成し得なかった。シトロエンにとっては、ラリー2部門での初めてのERCタイトル。ピレリにとってもトップに立つのは重要なことだ。でも、そのほかにたくさんの個人スポンサーやパートナーたちが支えてくれたことにも感謝しなくてはならない。この厳しい時期に参戦するのは本当に大変なことだったからね。そしてファンのみなさん、家族たちにも応援してくれたことに感謝したい」

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ERC2は、前日トップのダリウス・ポロンスキー(フィアット124アバルトRGT)が、この日の午前中にヒットした際にタイヤのアライメントが狂うダメージを負ったことで後退。この結果、選手権リーダーのチボール・エルディ(三菱ランサーエボリューションX)が逆転で今季部門4勝目を飾り、タイトル獲得を決めた。ポロンスキーは、フィアット124アバルトRGTのワンメイクシリーズ、アバルト・ラリーカップではトップフィニッシュ。アンドレア・マベリーニが部門2位でフィニッシュし、タイトル獲得を決めている。

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ERC / Grégory Lenormand / DPPI

このカナリアスを待たずにケン・トーン(フォード・フィエスタ・ラリー4)のタイトルが確定していたERC3/ERC3ジュニア部門では、前日を首位で折り返していたジョセフ・バサス(プジョー208 ラリー4)に終盤で大波乱。4分のリードを築いて最終ステージをスタートしたバサスだったが、オーバーヒートのトラブルに見舞われてしまった。このステージは部門トップから1分46秒近く遅れてのタイムとなったが、ステージをフィニッシュした後、マシンが始動しなくなってしまった。バサスはサービスには戻ったものの、規定外のアシスタンスを受けたことにより失格。これにより、ERC/ERC3ジュニア部門優勝はトーンの手に渡った。

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今季のERCは、12月に予定されていたスパラリー(イタリア)の開催がキャンセルとなったことから、これでシーズンは終了となる。

ERCカナリアス 最終結果
1 A.フルモー(フォード・フィエスタR5 MkII) 1:12:21.2
2 Y.ボナート(シトロエンC3 R5) +25.0
3 I.アレス(ヒュンダイi20 R5) +55.6
4 O.ソルベルグ(フォルクスワーゲン・ポロGTi R5) +1:17.4
5 J.シュアレス(シュコダ・ファビア・ラリー2 EVO) +1:39.1
6 A.ミケルセン(シュコダ・ファビア・ラリー2 EVO) +1:48.8
7 A.ルキヤナク(シトロエンC3 R5) +2:10.6
8 C.デバイン(ヒュンダイi20 R5) +2:25.7



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