2020年のWRC最終戦ラリーモンツァ(イタリア、ターマック)を終えて、WRC2部門ではマッズ・オストベルグが部門優勝を飾り、この結果、タイトルも獲得した。
このイベント、オストベルグにとっては不安定なスタートとなり、シトロエンC3 R5のセットアップに苦労し、初日は部門3番手で終えることとなった。土曜日の午前は、部門首位に立っていたMスポーツのアドリアン・フルモー(フォード・フィエスタ・ラリー2 MkII)がCosta Valle Imagnaでパンクに見舞われたことで、順位が変動。オストベルグは、タイトル争いのライバルであるポンタス・ティデマンド(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo)に対しポイントでは上まわっていたが、日曜日に入ってから部門首位に浮上。WRカー勢でもドラマの連続となったトリッキーなこのイベントの最終日を保守的なアプローチで走り切ったオストベルグは、25.6秒差で部門優勝。昨年はわずか1ポイントで逃したタイトルを手にした。
「信じられないよ。本当にうれしい」とフィニッシュ後に笑顔を見せたオストベルグ。
「すごく難しい週末だったし、ことしは1年をとおして浮き沈みが激しかった。勝ち目のない立場だったが選手権を制覇し、シーズンをとおしてマシンを開発してきた。ここまでこれたのはチームの素晴らしい仕事のおかげ」
ティデマンドは優勝を逃したことに落胆したものの、ラリー最終のパワーステージで右フロントタイヤがパンクしながらもポジティブな姿勢を崩さなかった。
「自分たちができることはやったし、パフォーマンスも発揮していたと思うが、タイヤチョイスが悪かった。完走できてうれしいし、すごく楽しかった」と語るティデマンドは、オストベルグにわずか4ポイント差の選手権2位で激動のシーズンを終えた。
ティデマンドを援護射撃するためにシュコダ・モータースポーツが送り込んだのはヤン・コペッキー(シュコダ・ファビア・ラリー2 EVO)だったが、不満の残る週末となり、ティデマンドに57.8秒遅れの3位フィニッシュとなった。
一方、序盤、好走を見せていたフルモーは、土曜日のパンクの後、フロントサスペンションにダメージを負い、トップから30分近く遅れてのフィニッシュに留まった。
WRCモンツァ WRC2部門最終結果
1 M.オストベルグ(シトロエンC3 R5) 2:21:18.4
2 P.ティデマンド(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +25.6
3 J.コペッキー(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +1:23.4
4 A.フルモー(フォード・フィエスタ・ラリー2 MkII)+29:20.4