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2021年からパワーステージポイントがマニュファクチャラーズ選手権にも加算。WRC2、WRC3にも導入へ

©FIA

FIAは12月16日、今季最後となる4回目のワールドモータースポーツカウンシルの会合をジュネーブで開催した。ジャン・トッド総裁とスポーツ部門の副総裁グラハム・ストッカーが主催、カウンシルメンバーの多くがリモートで会合に参加した。

WRCに関する主な案件では、マニュファクチャラーズを対象としたパワーステージでのボーナスポイント追加、2021年から新たにピレリタイヤが公式タイヤとなることに対応してワークスチームに追加テストを認めることなどが承認された。

2021年から、パワーステージポイントは、ドライバーズと同じ内容(トップ5の上位から5〜1点)でマニュファクチャラーズ選手権のポイントにも加算される。各マニュファクチャラーは、パワーステージの上位5人のうち、自チームのノミネートドライバーの上位ふたり分のポイントを獲得できる。この意図としてFIAは「マニュファクチャラーズ選手権のバトルに新たな要素を加える」こととしている。また、WRCでパワーステージポイントシステムが成功したことを受け、同様のフォーマットがWRC2、WRC3でも行われることになった。

2020年WRC最終戦のラリーモンツァ終了後、マニュファクチャラーチームはピレリタイヤでのテストを始めて開幕戦に備えていることから、FIAは各マニュファクチャラーに認めるテスト日数を9日間、追加することを認めた。開幕戦のモンテカルロラリーは、通常、冬の変わりやすい天候となりタイヤ戦略が結果を大きく左右することから、この追加テスト日数の多くはモンテカルロ前に使われると思われる。

特にWRC2部門では多くの変更が承認され、エントリーするチームはシーズンの第5戦のエントリー締め切りまでにノミネートを行わなくてはならない。ポイント対象となるためには、2台体制で7戦を戦うことが義務づけとなり、うち一戦はヨーロッパ外イベントでなくてはならない。チームとドライバーは、どのイベントをポイント対象とするかノミネートすることが求められることから、ドライバーはポイント対象外でもプライオリティ2ドライバーとしてさらに2戦に参戦することができる。ポイント獲得に関しては、7戦中ベスト6戦のポイントが有効となる。

WRC3では、新型コロナウイルス流行前の規定を復活させることを視野に入れ、選手権戦数を5戦から7戦に戻し、ベスト5戦分のポイントが有効となる。ジュニアWRCの有効戦数は、新型コロナウイルスのパンデミックにより変更となった4戦から、5戦に戻された。

また、WRC3部門へのエントリーを、スキルアップを目指すドライバーを対象に制限するための具体的な要件も追加された。これは、先日のラリーモンツァでWRC3部門にワークスドライバーとしてWRC優勝も経験しているアンドレアス・ミケルセンが参戦して優勝したことに苦情が出たことに対応しての変更。

一方、世界選手権としての価値を確保するため、タイトルを授与するためには、当初予定されていたイベントの少なくとも半分を開催しなければならないとした。サポート選手権では、予選イベント数が当初の予定よりも少ない場合、FIAは最低参加人数と有効戦数を調整する可能性があることも加えられている。

2021年のWRCは全12戦が予定されているが、すでにラリースウェーデンが開催中止を表明した。これに対応して、フィンランドで新たにウインターラリーが代替として開催される見込みとなっている。
(Graham Lister)



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