トヨタは12月18日付けのプレスリリースで、WRCチャレンジプログラムの育成ドライバー勝田貴元の2021年参戦予定を明らかにした。勝田は11月の最終戦ラリージャパンを含む全戦に参戦予定。2020年シーズン見せたスピードに磨きをかけながら、世界の道でさらなる経験を積むこととなる。
(以下プレスリリース)
TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムは、2021年も引き続き若手ドライバーの育成活動を継続し、日本人ドライバーの勝田貴元が、FIA世界ラリー選手権(WRC)の全戦にヤリスWRCで参戦します。
2019年、勝田はWRCのトップカテゴリーであるWRカー(ワールドラリーカー)にステップアップし、シーズン終盤の2戦にヤリスWRCで出場してトップレベルで戦えることを証明しました。2020年は多くのWRCイベントにヤリスWRCで参戦する予定でしたが、WRC年間カレンダーの大幅な変更により、5戦の出場に留まりました。しかし、その中でも初戦のラリー・モンテカルロでは安定した走りで難関ステージを走破し総合7位の実績を残し、WRC初開催の第4戦ラリー・エストニアではトップドライバーに匹敵する好タイムを記録しました。そして、今年初めてWRCとして開催された最終戦のラリー・モンツァでは、今シーズンのWRC最後のSSとなったパワーステージを制し、初めてベストタイムを記録しました。
間もなく開幕する2021年シーズン、勝田はWRC全戦への出場を予定しています。コ・ドライバーは引き続きイギリス人のダン・バリットが務め、新たにユホ・ハンニネンが勝田のインストラクターに就任しました。TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのテストドライバーであるハンニネンは、以前から勝田のルートノートクルーを務め、テストでは何度かコ・ドライバーを担当するなど、勝田と仕事を共にし、良い関係を築いてきました。
勝田貴元
2020年は誰にとっても非常に困難なシーズンでしたし、これまでのように学びを重ねるのは簡単ではありませんでした。しかし、自分自身のパフォーマンスとドライビングはシーズンの始め頃と比べて大きく改善したと思います。良いリザルトを残すことはできませんでしたが、良い走りをできたステージがいくつかありましたし、様々なコンディションやクルマのセットアップについて理解が深まりました。とても良い経験でしたし、以前に比べて格段に自信が向上しました。チームと、サポートをしてくれた周りの人達に感謝しますし、来年もヤリスWRCで参戦できることを本当に嬉しく思います。このような特別な機会を与えてくれたTOYOTA GAZOO Racingに、心から感謝しています。さらに成長し、大きな自信を持って臨むステージがあるラリーでは、良い結果を残せるように頑張りたいと思います。また、来シーズンはユホとより緊密に仕事をできるのも楽しみです。彼のことはよく知っていますし、一緒にテストを行ったり、彼が運転するクルマの助手席で学んでもきました。経験豊富で、クルマのことをとても良く理解している本当に優れたドライバーだと思います。ユホのアドバイスを受けることで、より良いドライバーに成長できると確信しています。
ユホ・ハンニネン(インストラクター)
今年、貴元が成長する姿を見ることができて本当に幸せでした。開催されたラリーは多くありませんでしたが、振り返ってみれば、エストニアや、特に最終戦のモンツァでは素晴らしい速さを見せてくれました。非常に難しいコンディションだったにも関わらず、とても良いタイムを記録してステージから戻ってきた彼を、本当に誇りに思います。彼が格段に速くなったのは間違いなく、来年はもっと楽に戦うことができるはずです。ヤリスWRCに乗る機会も増えますし、新しいラリーも多くあるので、よりイコールに近い条件で他のドライバーとの比較がしやすくなるでしょう。先週行ったラリー・モンテカルロに向けたテストでもそうでしたが、クルマのセットアップを手伝うなど、全ラリーで貴元と緊密に仕事ができることを楽しみにしています。やるべきこと、やらなければならないことは山ほどありますが、彼なら必ず良い結果を残せると信じています。