Mスポーツ・ポーランドは、2021年のFIAヨーロッパラリー選手権(ERC)で、若手のキャリアアップを後押することを目指した支援を行うことを発表した。FIA、ERCのプロモーターを務めるユーロスポーツ、ピレリ、Mスポーツ・ポーランドのジョイントプロジェクトで、2021年のERCジュニア、ERC3ジュニア選手権のチャンピオンに翌シーズンの参戦チャンスを与える。
具体的には、2021年ERC3ジュニアチャンピオンに、2022年のERCジュニア選手権にMスポーツ製の新型フォード・フィエスタ・ラリー3で3戦にエントリーできる特典を与える。さらに、そのチャンピオンがフィエスタ・ラリー4でタイトルを獲得していれば、ダブル特典として2022年のERCジュニア選手権へのフィエスタ・ラリー3での参戦は6戦となる。
また、2021年ERCジュニアチャンピオンには、2022年のジュニアWRCへの参戦資金を完全バックアップする。
Mスポーツ・ポーランドは長年に渡りERCに貢献を続けており、2015〜2017年はカエタン・カエタノビッチがシリーズ3連覇を達成。最近では、ジュニア勢の活躍も目立ち、今季はERC3/ERC3ジュニアに参戦しケン・トーンが、5戦中4勝を飾ってタイトルを獲得した。
2021年にMスポーツ・ポーランドが若手に向けて行う若手支援のレベルは、ラリー界でも際立った存在。2021年に向けて、FIAのラリーヒエラルキーの全カテゴリーのモデルを製作するのは、Mスポーツのみ。ドライバーは、2WDマシンのフィエスタ・ラリー4でERC3ジュニアカテゴリーに参戦しながらERCのラリーを学び、4WDマシンで戦うERCジュニアへのステップアップを目指し、さらにERCジュニアで活躍が認められればジュニアWRCに参戦するチャンスも生まれる、という道筋が整えられたことになる。
Mスポーツ・ポーランドのディレクター、マチェク・ボダは「2021年、この素晴らしいチャンスをオファーできることを、心から楽しみにしている」とコメント。
「Mスポーツ・ポーランドは長年ERCへの参戦を続けており、我々のERCジュニアやERC3ジュニアへのコミットはただひとつ、支援を強化することのみ。ERCは、ラリー界において国際舞台への階段を上るスタートとして絶好の場となっており、どのイベントもフレンドリーで協力的な雰囲気がある。我々と、FIA、ユーロスポーツ、ピレリとの共同の努力が、次世代のドライバーの支援になるのは非常に素晴らしいこと。ジュニアドライバーはラリー界の将来のスターであり、特に今はこうした若手を支援することがこれまで以上に重要になっている」
Mスポーツのマネージングディレクター、マルコム・ウィルソンは「若手ドライバーの育成は、常に我々のビジネスの中心になってきたもの。ERCは世界の中でも、新進気鋭の若手が育つ舞台となってきた」とコメント。
「我々は、どの国の出身であるかに関わらず、今後が期待できる若手ドライバーがラリー界の頂点にたどり着けるためのコスト効率の高い道筋を提供することに注力を続けており、この新しいシリーズもその流れの延長にある。2021年、どんな若手が芽を出してくるのか、そんな若手が将来、最終的に世界チャンピオンになるための成長を見届けることを心から楽しみにしている」