トミ・マキネンに代わり2021年からトヨタのWRCチームでチーム代表を務めることになったヤリ‐マティ・ラトバラ。独自の取材に対し、エルフィン・エバンスには2021年のWRCシーズンが始まる前に“リセット”しなくてはならないと語った。
クリスマス休暇を前にトヨタから発表されたラトバラのチーム代表は、多くの人にとって「電撃的」と捉えられている。フィンランドのラトバラは現在35歳。2021年1月18〜24日に開催される2021年WRC開幕戦モンテカルロのサービスパークでは、最年少のチーム代表となる。
Mスポーツ・フォードのリチャード・ミルナーは36歳だが、英国カンブリアのMスポーツ拠点ではそれまでにマネジメントの役職を経験してきている。しかしラトバラにとっては、このモンテカルロが事実上、初めてのチーム運営となる。
チーム代表就任直後の取材に対し、ラトバラは「タイトルを目前にしてそれを逃したという、エルフィンと同じ立場に立たされたことがある」と語った。
「モンツァでのエバンスのコンディションは大変なものだったし、非常にキツイ形でその被害を受けてしまった。今は、シーズンの最後に起きたことを忘れて、新たに滑り出さなくては、リセットしなくてはならない。彼にはまた戦える速さがあるし、開幕戦からまた全員が0ポイントからのスタートだ」
これまでフォード、フォルクスワーゲン、トヨタでワークスドライバーを歴任してきたラトバラは、モンテカルロでは4台体制を指揮することになる。セバスチャン・オジエはトヨタ・ヤリスWRCで、7度目のタイトル防衛に乗り出す。残るふたりは、カッレ・ロバンペラと勝田貴元の若手だ。
ラトバラは取材に対し、WRCレベルでのドライビングからは引退したが、合間をみてヒストリックイベントへの参戦は続けると語っている。
(Graham Lister)