第43回目の開催となるダカールラリー2021年大会は、2020年に引き続きサウジアラビアで開催される。1月2日にジェッダでスタートセレモニーを行い、競技期間は3〜15日。スタートとフィニッシュはジェッダに設定され、総走行距離は7646kmとなる。うちスペシャルステージの合計距離は4767kmだが、すべてのステージが新しい設定となる。距離の縮小や高速セクションを減らし、ドライビングテクニックのほか、砂丘越え、ナビゲーションスキルが求められる要素が高まっている。一方で、ハイルでの休息日直後に迎えるマラソンステージでは、資材のマネージメントや耐久性能が問われる。
2020年は新型コロナウイルスの世界流行により、世界中が困難の日々を過ごしてきたが、2021年大会のダカールラリーには4輪とSSVが124台、クワッドが21台、トラック42台、2輪が108台と、合計321台のエントリーが集まった。さらに、新たに2000年代以前のダカールや主要クロスカントリーラリーに参戦していた車両を対象とした「ダカールクラシック」を創設、こちらにも26台がエントリーしている。
ダカールラリーは2020年、初めてサウジアラビアで開催されたが、2021年大会はさらに地球の奥深さを探求する内容になるという。さらに、平均速度を下げて競技の安全性を高める一方で、コンペティターのスポーティング性能に焦点を当てるためのルール改正も行われている。
4輪部門のエントリーでは、2020年のウイナーであるカルロス・サインツ(MINI X-Raidバギー)が今回もエントリー。その連覇阻止に挑むのは、トヨタのナッサー・アル‐アティヤだ。さらに、プロドライブ製バーレーン・レイド・エクストリーム(BRX)から参戦するセバスチャン・ローブ、ナニ・ロマなどのビッグネームも名を連ねるほか、WRCのワークスドライバーとして活躍したクリス・ミークは、PHスポールからダカールデビューを果たす。シリル・デプレ、マイク・ホーンは、代替燃料マシンでダカールに挑むプロジェクトを立ち上げており、注目を集めている。
日本勢では、日野自動車がトラック部門に30回目のダカール参戦。排気量10リットル超のモンスタートラックも登場するクラスに日野レンジャー(英語名:HINO500 Series)で挑む。ドライバーを務めるのはチーム代表も兼任する菅原照仁。染宮弘和と望月裕司がナビゲーターを務める。
トヨタ車体は、ランドクルーザーが生誕70周年を迎える2021年大会に、新体制で市販車部門8連覇を目指すことを発表。社員ドライバーを核に新たなメンバーを加えた。2020年大会に引き続いてチーム監督を務めるのは、トヨタ車体広報室の角谷裕司。チームはトヨタ・ランドクルーザーを2台投入する。340号車はエースドライバーの三浦昂とナビゲーターのローラン・リシトロイシターがクルーを務め、345号車には、ロナルド・バソを新たに起用。ジャン・ミッシェル・ポラトがナビゲーターを務める。さらにメカニック陣には、長年チームのメカニックを率いてきたフィリップ・シャロワを筆頭に、日本人メカニック2名が参加。さらにフランス人および日本人スタッフ11名を加えた総勢19名の体制で臨む。