ダカールラリーの2021年大会は、1月3日にサウジアラビアのジェッダ〜ビシャ間の第1ステージ(277km)の走行が行われた。この日は前回覇者のカルロス・サインツ(MINI JCWバギー)がさっそくトップタイプをマークした。
競技初日からいきなり過酷な設定となるなか、ディフェンディングチャンピオンのサインツでさえ、困難に直面した。パンク1回とナビゲーションに混乱もあったが、それでもベストタイムをたたき出して総合順位での首位に立った。
「3、4分ロスをした場所があったが、そこではほかのマシンもロスしていたようだ」とサインツ。
MINI JCWバギー勢では、ダカール制覇13回を誇るステファン・ペテランセルもサインツにわずか26秒遅れでの2番手でフィニッシュした。
「ナビゲーションは楽ではなく、石もたくさんあった。本当にパンクがしやすく、自分たちもステージフィニッシュまで30kmというところでパンクに見舞われた。明日のステージもトリッキーのようだ」とペテランセルは警戒を見せる。
サインツのペースには届かなかったが、トヨタ・ハイラックスを投入したトヨタ・ガズーレーシング勢はジニール・ドゥビリエが総合8番手、ナッサー・アル‐アティヤが総合10番手につけた。
一方、WRC9連覇王者のセバスチャン・ローブにとっては厳しい滑り出しとなった。
「15km地点で15分ほどロスした。その後、自分たちをパスしたマシンが起こしたダストもひどかった。パンクを3回してさらにタイムをロスした」とローブ。
日本勢では、トヨタ車体がエントリーするチームランドクルーザーの三浦昂、ロナルド・バソ(いずれもトヨタ・ランドクルーザー)がそれぞれ市販車部門1番手、2番手(総合53番手、54番手)につけた。
「山の中を行く、初日にしては難しいコースだった。下回りを打ったりパンクもあったが、ローラン(リシトロイシター、ナビゲーター)とペースを話し合いながら走るなど無理せず落ち着いてゴールできたのは良かったと思う」と三浦はコメントしている。
一方、日野チームスガワラの菅原照仁/染宮弘和/望月裕司組は、前半の岩場で先行車が巻き上げたダストの中で右サイドの前後タイヤを同時にパンクというアクシデント。20分弱で交換は済ませたものの、一気にスペアタイヤ2本を使い切ったためその後はペースを抑えての走行。さらに、終盤のトリッキーなポイントでミスコースを喫し、この日は合計1時間近くのタイムロスとなったが、トラック部門総合18番手、排気量10リットル未満クラス首位で初日を終えた。
菅原は「埃の中で2本同時にパンク。まだ前半だったのでペースを抑えて走った距離が長く、タイムロスになってしまった。それでも、走り出した時の車両の感触はとても良かったので、パフォーマンスに期待している。今回のコース設定は全体にテクニカルな方向に振ってあるように感じる」と語っている。
明日4日のステージ2はビシャ〜ワジ・アド・ダワシール間の457kmが設定されている。
ダカールラリー2021 暫定結果(ステージ1終了時点)
1 C.サインツ(MINI JCWバギー) 3:05:00
2 S.ペテランセル(MINI JCWバギー) +00:22
3 M.プロコップ(フォード・ラプターRSクロスカントリー) +04:42
4 M.セラドーリ(センチュリーCR6) +06:54
5 K.アル‐カシミ(プジョー3008 DKR) +08:34