シュコダは2021年、改良版のシュコダ・ファビア・ラリー2 EVOでERCに参戦する。1月4日からは、新たにFIA公認を受けたコンポーネンツがカスタマーに供給できるようになった。シュコダはこのコンポーネンツに関して「世界中のラリーステージでの戦闘力を確保するため」に開発したと語っている。
アップグレードには、新しいエンジンマッピング、再設計されたインタークーラーやエキゾーストマニホールド、トップスピードを時速187kmから202kmに高めるためのギヤレシオの延長、路面μの低いシーンに向けた3種類目となるデファレンシャルのカム角、ZF製のダンパーの修正などが含まれている。
さらに、強化されたリヤアクスル・サブフレームの中心部の信頼性を改良、グラベル仕様のリヤブレーキ空冷デバイスにも注力したほか、シュコダによれば「新しいオイルインテークとロワーエンジンカバーのパーテーションに加え、ターボチャージャーのオイル系も改良し、オイル量を減らした」としている。
そのほかの変更としては、配置を新しくしたステアリングのボタン類、ジャッキマウントポイントの再設計もあり、シュコダは「燃料タンクのブリージングパイプ用にロールオーバーバルブを開発した。この新しいバルブは、ラリーのあらゆる環境の中でもシステムの中での加圧を避けて安全性が高められている」としている。
シュコダ・モータースポーツのディレクター、ミカル・フラバネクは「2021年のアップグレードとしてさらに開発を進めたパーツは、世界中の我々のカスタマーに成功を続けてもらうために作られたものだ」と語る。
「これらのパーツは、ヤン・コペッキー、オリバー・ソルベルグ、クリス・ミーク、ポンタス・ティデマンド、アンドレアス・ミケルセン、エミル・リンドホルムにより広範囲に渡ってテストを行った。この2021年のアップグレードにより、カスタマーのみなさんにはさらに速く、より信頼性のあるシュコダ・ファビア・ラリー2 EVOを提供できると確信している」
シュコダ・モータースポーツは、すでに372台のラリー仕様のファビアをカスタマー向けに販売している。世界65カ国で132チームがこのラリー2マシンで、国際選手権、地域選手権、国内選手権に参戦している。WRCではカスタマーチームのToksport WRTが、WRC2でマニュファクチャラー/チームタイトルを獲得している。