ダカールラリーの2021年大会は1月13日、ネオム〜アルウラ間に設定された第10ステージ、342kmの走行が行われた。
2021年のダカールもいよいよ終盤。しかし、ルートで待ち受けるチャレンジは依然として過酷なものとなった。明日は、最終2本目となるが、イベントの中でも464kmと最長のステージが待っているなど、厳しい状況は続いている。
カー部門では、総合2番手につけるトヨタ・ガズーレーシングのナッサー・アル‐アティヤ(トヨタ・ハイラックス)がこの日のステージで2番手タイムをマークし、わずかながら首位のステファン・ペテランセル(MINI JCWバギー)との差を詰めることに成功。しかし、アル‐アティヤの最大の希望は、明日のアルウラ‐ヤンブ間の山場での巻き返しに懸かっている。カタール出身で砂地のスペシャリストとして知られるアル‐アティヤは、明日の砂丘でペテランセルの17分のアドバンテージを打ち消す構えだ。
「今回のダカールの鍵となるのは明日。本当に、本当に難しいステージだ」とアル‐アティヤは決意を見せる。
ペテランセルとチームメイトのカルロス・サインツは、いずれもこのステージをトップ5タイムでフィニッシュ。昨年ウイナーのサインツは第4ステージ以降、総合3番手を維持し続けている。
「ステージの序盤はナビゲーションが非常にトリッキーで、かなりタイムをロスした。その後はよくなったが、それでもダストのために楽ではなかった。6、7台をパスしなくてはならなかったが、大変だった」とサインツ。
総合4番手につけているクバ・ライゴンスキー(トヨタ・ハイラックス・オーバードライブ)は、このままフィニッシュできればダカールでの自己ベスト。明日のロングステージには100km近くの砂丘も待ち受けており、ポディウムもあきらめてはいない。
「明日がどのようになるのかはハッキリ予想はできないが、ハードであることは確か」とライゴンスキー。
2009年のウイナー、ジニール・ドゥビリエ(トヨタ・ハイラックス)、シリル・デプレ(プジョー3008 DKR)は依然として浮き沈みの激しい展開が続いている。
「Wow, wow, wow! 一日中、ダストの壁が続いていたよ。正直、朝からずっと、ものすごく厄介な1日だった。400ページ近くのロードブックは、コ・ドライバーのマイク(ホーン)にとってもかなりチャレンジングだったよ」とデプレは振り返った。
日本勢での戦況は追ってお伝えする。
明日14日は、アルウラ〜ヤンブ間に464kmの第11ステージが設定されている。最近の天候の関係で、コースの終盤50kmが短縮されたが、それでも大会の山場となるこのステージ難関の砂丘は残っている。
ダカールラリー2021 暫定結果(ステージ10終了時点)
1 S.ペテランセル(MINI JCWバギー) 37:33:06
2 N.アル‐アティヤ(トヨタ・ハイラックス) +17:01
3 C.サインツ(MINI JCWバギー) +1:03:44
4 J.ライゴンスキー(トヨタ・ハイラックス・オーバードライブ) +2:18:43
5 N.ロマ(プロドライブ・ハンターBRX) +2:50:22