TOYOTA GAZOO Racingは1月21日にチームリリースを発行し、2021年の全日本ラリー選手権参戦体勢を発表した。2台のGRヤリスを新たに投入し、JN1クラス全戦に参戦する。クルーは大型移籍となる勝田範彦/木村裕介、引き続きTGRチームで戦う眞貝知志/安藤裕一が務めることとなる。
2021年は、長らくスバルvs三菱という構図で戦われてきたJN1クラスに、本格的な勢力図の変化が起きる年になるかもしれない。
以下チームリリース
TOYOTA GAZOO Racing(以下、TGR)は、GRヤリス2台体制で、2021年JAF全日本ラリー選手権のトップクラス(以下、JN1)に参戦します。新たに勝田範彦をドライバーに迎え上位を狙います。
2021年参戦車両( GR YARIS GR4 Rally )
TGRは、2015年からJAF全日本ラリー選手権への参戦を開始し、モータースポーツの厳しい環境において「人を鍛え、クルマを鍛える」ことを目的に活動を続けてきました。2019年には眞貝知志・安藤裕一組が駆るヴィッツGRMNでJN2クラス年間優勝を獲得しています。
2021年参戦車両のGRヤリスは、FIA世界ラリー選手権(WRC)で得た技術や技能を織り込み、世界のあらゆる道でも思い通りに操れ、誰もが安心して意のままに運転できるクルマとして誕生しました。「モータースポーツ用の車両を市販化する」という逆転の発想で開発した、トヨタ自動車初となるモデルです。
チームに加わる勝田範彦は、JAF全日本ラリー選手権で8度チャンピオンに輝いた実績をもつトップドライバーです。GRヤリスのポテンシャルを十分に引き出し、チームを勝利に導くことが出来るドライバーとして、眞貝知志とともに2台体制で戦います。2021年シーズンも、ドライバー、コドライバー、メカニック、エンジニアが一丸となって挑みます。
■豊岡 悟志(チーム監督)コメント
2021年の目標はGRヤリスでの勝利。勝利に向けて挑む事の全てを”人とクルマを鍛える”に直結させていきます。新たに勝田選手の力をお借りし、眞貝選手との2台体制であらゆる相乗効果を狙います。豊田章男社長、モリゾウはモータースポーツを軸にして、モビリティ、社会を広い視野で考え、全体を盛り上げる事に取り組んでいます。ラリーチームもその想いに先頭をきって応える実戦部隊として、クルマの楽しさや可能性を追求していきます。全日本ラリーでのGRヤリスのデビューを楽しみにしています。応援よろしくお願いします。
■勝田 範彦(ドライバー)コメント
初めてTGRチームに加わり、うれしく思います。ラリー車両の本格的なテストは、まだそれほど行っていませんが、エンジニアには熱意があふれていますし、クルマにはポテンシャルを感じました。私はこれまで30年近くラリーに参戦してきましたが、心機一転、初心にかえってチームと一緒に頑張りたいと思います。強豪ぞろいのJN1クラスで上位を狙い、良い成績を収めることが私の役割です。デビューウイン、そしてチャンピオンを獲る意気込みで臨みます。応援よろしくお願いします。
■眞貝 知志(ドライバー)コメント
TGRチームで4年目を迎え、GRヤリスという新たなチャレンジを楽しみにしています。ハイレベルなJN1クラスで勝田選手とともに走る距離を倍にし、もっといいクルマづくりへフィードバックする。それが私の仕事だと思っています。私自身にとっても、公式戦に初めて4WD車両で臨む挑戦の年ですが、まずは自分の役割を果たすことを目標に頑張ります。一戦ごとにGRヤリスがたくましく速くなっていく姿を、皆様も一緒に楽しんでいただけたらうれしいです。
■宮本 昌司(チーフメカニック)コメント
2021年はメカニックの顔ぶれが大きく変わります。普段製造現場で働く社員や、開発を担うエンジニアなどを含め、社内の幅広い部署から志の高い人材を集めています。ラリー未経験者がほとんどですが、競技の現場や車両の作り込みなど、すべてを学びとして今後に活かしてくれると思っています。JN1クラスのメカニックに肩を並べられるよう頑張ります。
■土井 崇司(エンジニア)コメント
GRヤリスには、ボディ強度や熱対策など、我々がこれまで全日本ラリーで学んだエッセンスも反映されていますが、開発は終わったわけではありません。ラリーの現場で実際に何が起きているかを見極め、開発メンバーに伝達し、もっともっといいクルマに鍛えていきたいと思っています。こうした活動を通じて得た知見をGRヤリスだけでなく、将来の幅広い市販車に落とし込み、今後もよりよい製品をお客様に提供したいと考えています。