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WRCモンテカルロ:2021年シーズン開幕。初日を終えタナックが首位、勝田は11番手

©HYUNDAI

WRCは2021年シーズンの開幕を迎えた。初戦のモンテカルロは新型コロナウイルス感染拡大を防止するため短縮スケジュールとなり、この日の走行は2SS、41.36kmでの戦いが繰り広げられた。この2SSを終えて、総合首位はこの日の2SS両方を制したヒュンダイのオィット・タナック。2番手にはカッレ・ロバンペラ、3番手にエルフィン・エバンスと、トヨタ勢が続くかたちとなっている。

先の理由からシェイクダウンは実施されず、選手たちはいきなりSS1に挑むこととなった。そのSS1は濡れた路面と乾いた路面が混在する難コンディション。ステージの一部では雨も降っており、ワイパーを使用するウエット路面となった。ほとんどのドライバーはスーパーソフトコンパウンドを選択。トヨタのセバスチャン・オジエを含む数名はスタッドレスタイヤ2本をスペア搭載してのアタックとなった。

SS1でベストタイムをマークしたのはタナック。ワイパーを破損しながらもSS2番手のロバンペラに3.0秒のリードを築いてみせた。SS3番手はエバンス、SS4番手にオジエとトヨタ勢が続く。オジエはブレーキに不調を抱え、それをかばいながらの走行。ワークスマシンと同じく新しいカラーリングをまとっての参戦となった勝田貴元は、ナローセクションでハーフスピン。フロントバンパーにわずかなダメージを負い、大きくタイムロスを喫してしまったが、フィニッシュまでヤリスWRCを運んでいる。

このSS1では、Mスポーツ・フォードのテーム・スニネンが姿を消すこととなった。右コーナーから入るS字状のセクションでアンダーステアを出し左側のバンクにヒット。フィエスタWRCは横転し、反対側の土手からコースアウトを喫してコース復帰はならなかった。クルーふたりに大きなケガはない模様。スニネンは途中までSSトップのタナックを上まわるペースで走行していただけに、もったいない結果となってしまった。ロールケージに問題がなければ再出走も可能となるが、外装は大きなダメージを受けており、詳細なチェックが必要となりそうだ。

続くSS2は路肩に雪が残り、ところによっては路面が凍結している部分もある難しいコンディション。タナックはここでもベストタイムをマークし首位の座を守ったが、ロバンペラが再びSS2番手タイムで続き、タナックの背にぴたりとつけている。SS3番手はエバンス、SS4番手にはコ・ドライバーを若手に変更したヒュンダイのティエリー・ヌービルがつける。オジエはブレーキの問題を解決し切れておらず、SS5番手タイムに沈み、総合4位の座をヌービルに譲ることとなってしまった。勝田はフィニッシュ目前で再びスピンを喫するが幸いダメージはなく、そのままSSをフィニッシュした。

この結果、上位陣のオーダーはタナック、ロバンペラ、エバンス、ヌービル、オジエとなっている。難しい路面に苦労している勝田は11番手。この日を終えて勝田は「経験を積んで、難しいコンディションで生き残ることがひとつの目標です。今日はトリッキーなステージでスピンを2回し難しい1日となりましたが、これも学びだと思って頑張ります。とにかく走り切ることが大事かなと思っています」とコメントしている。

22日(金)の競技2日目は、SS3〜SS8の計6SSが行われる予定だったが、現地時間17時41分スタート予定のSS8はキャンセル。計5SS、SS距離104.7kmでの戦いとなる。SS3のスタート時刻は日本時間22日の13時04分。

WRCモンテカルロ SS2後暫定結果
1. O.タナック(ヒュンダイi20クーペWRC) 24:17.5
2. K.ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC) +3.3
3. E.エバンス(トヨタ・ヤリスWRC) +8.5
4. T.ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC) +16.0
5. S.オジエ(トヨタ・ヤリスWRC) +16.9
6. D.ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC) +42.7
7. P-L.ルーベ(ヒュンダイi20クーペWRC) +1:07.8
8. A.ミケルセン(シュコダ・ファビア・ラリー2EVO) +1:18.3
9. A.フルモー(フォード・フィエスタ・ラリー2) +1:27.2
10. G.グリーンスミス(フォード・フィエスタWRC) +1:30.0
11. 勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC) +1:39.4



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