2021年のWRC開幕戦モンテカルロは競技2日目を終えて、トヨタのエルフィン・エバンスとセバスチャン・オジエが1-2体制を構築。3番手にはヒュンダイのオィット・タナック、4番手にトヨタのカッレ・ロバンペラという順位になっている。
22日(金)の競技2日目は、SS3〜SS7の計5SS、SS総距離104.7kmで争われた。初日に大きなクラッシュを喫したMスポーツ・フォードのテーム・スニネンはマシンのダメージが大きく再出走を断念している。この日のオープニングステージとなるSS3と、続いて行われたSS4では各車ランプポッドをつけて走行。路面は凍結している箇所が多く、湿っているのかブラックアイスなのか、判断のつきづらいセクションも随所に待ちかまえている。そんなオープニングステージを制したのはオジエ。2番手にエバンス、3番手にロバンペラがつけ、トヨタがSSトップ3を占める格好となった。これにより総合順位ではロバンペラがトップに浮上、総合2番手にエバンス、同3番手にオジエと、総合順位でもヤリスWRCがトップ3に連なることとなった。
続くSS4もベストタイムはオジエ。さらにロバンペラ、エバンスと続き、トヨタ勢は好調を維持。しかし、ロバンペラはTC遅着のペナルティ10秒を加算され、総合順位はオジエ、エバンス、ロバンペラの順に。明るくなったSS5でも、オジエがベスト、エバンスがセカンドベストと、ふたりのスピードはとどまるところを知らず。SS3番手にはタナックが食い込み、ロバンペラをかわして総合3番手にポジションアップを果たしている。
サービスを挟んだ午後のステージでは、WRカー全車がスノータイヤをチョイス。トヨタの4台とMスポーツ・フォードのガス・グリーンスミスはスタッドタイヤ2本を搭載してSSへと向かった。SS3の再走となるSS6は、峠のふもとでは雨、山頂付近ではみぞれ混じりというコンディション。さらに1ループ目のインカットで砂利が掻き出され、アイスパッチの点在する路面に多くのドライバーが苦戦を強いられた。このSS6でベストタイムをマークしたのはエバンス。SS2番手にはタナック、3番手にヌービルが続くリザルトとなった。オジエは左前輪をパンクし大きくタイムロスを強いられたため、トップのエバンスに34.7秒という大きな遅れを喫することに。総合順位でもエバンスとタナックに先行され、総合3番手にドロップしてしまった。また、このSSではロバンペラがコース序盤でミスを喫してタイムロス、総合5番手まで順位を下げてしまっている。一方、勝田はこのSSでエバンスから11.3秒遅れのSS5番手タイム。課題としていたタイヤ特性を徐々につかみつつあるスピードを見せた。
競技2日目の最後はSS7。SS4の再走ステージとなるが、こちらもウエットコンディションに加え、路肩の砂利が掻き出されたコーナーが目立つ。ここではオジエがベストタイムをマーク。フロントガラスが曇ってしまいタイムの伸びないタナックをかわして総合順位を2番手に戻している。SS2番手にはソルド、SS3番手にロバンペラ、SS4番手に勝田という順位になった。このSSでは総合10番手につけていたヒュンダイのピエール‐ルイ・ルーベがクラッシュし、マシンを止めている。
競技2日目を終えて、総合首位はエバンス、2番手にオジエ、3番手にタナックというトップ3。続いてロバンペラが4番手、ヌービル5番手、ソルド6番手というオーダーとなった。エバンスとオジエは7.4秒、ヌービルとソルドが6秒という僅差になっている。
23日(土)の競技3日目はSS9〜11のわずか3SS、SS総距離57.1km。ラリー最終日に向けた重要な足がかりの1日となりそうだ。SS9は日本時間23日14時30分スタート。
WRCモンテカルロ SS7後暫定結果
1. E.エバンス(トヨタ・ヤリスWRC) 1:33:57.5
2. S.オジエ(トヨタ・ヤリスWRC) +7.4
3. O.タナック(ヒュンダイi20クーペWRC) +25.3
4. K.ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC) +53.1
5. T.ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC) +59.1
6. D.ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC) +1:49.6
7. A.ミケルセン(シュコダ・ファビア・ラリー2EVO) +3:50.8
8. 勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC) +4:05.0
9. A.フルモー(フォード・フィエスタ・ラリー2) +4:37.9
10. G.グリーンスミス(フォード・フィエスタWRC) +5:10.8