WRCラリーモンテカルロの審査委員会は、ヒュンダイのオィット・タナック/マルティン・ヤルベオヤ組が、SS10フィニッシュ後から次のタイムコントロールへ向かうリエゾン中、ヒュンダイi20クーペWRCのタイヤが“正常に回転しているのが3本のみ”の状態で走行(残り1本はリムのみとなっていた)していたことについて、WRC1戦の参戦禁止という重い処罰を科した。この処罰には執行猶予がついており、11カ月と7日の間、WRC参戦中にWRC第34条1項5号に違反したとスチュワードが判断した場合には、ただちにこの処分の強制執行が可能になるとしている。
審査委員会が発行した同イベントの審査決定No.40では、1月24日にチームのアラン・ペナスに審問。ペナスは、タナック車がSS9でパンクし、SS10ではホイールとタイヤにトラブルを抱えた状況を説明。この時点でスペアがなかったことから、その前のパンクでダメージを負ったタイヤを装着したため、正常に回転するタイヤが3本のみの状態となった。クルーはリエゾン中、1本がリムのみとなった状態で相当数の距離を走行。最終的にクルーはリタイアを決断したが、マシンの安全が確保されていない状態でSS10後のリエゾンを走行したことが2021年のスポーティング規定12条2.1項に抵触すると理由を示している。審査委員会は、最終的に自らリタイアを決断したこと、ラリーモンテカルロでは、土曜日にデイリタイアした場合、日曜日に再スタートできないという特別規則があることに配慮し、この処分に至ったとしている。