今季からトヨタのWRCチームで代表を務めているヤリ‐マティ・ラトバラが2月13日、就任後初ラリーとなるメリカメンラリーのヒストリック部門にトヨタ・セリカGT-FOURで参戦した。コ・ドライバーは、TGRのテストドライバーで今季は勝田貴元のトレーナーも務めるユホ・ハンニネン。ハンニネンとは昨年、数々のクラシックイベントに参戦している。さらに、フィンランド南部のアータリで開催されたこのイベントには、ラトバラの父であるヤリ・ラトバラも、同じくセリカGT-FOURで参戦。ラトバラ親子がラリーイベントで直接対決するのは2004年以来のことだ。
「前回の時は、カローラWRCでフィンランド選手権部門に参戦して対決した。父のは1998年、自分のは1999年のマシンだった。でも今回は、どちらも同じレベルのセリカだ」とラトバラ。今回のこのイベントは、フィンランドのヒストリックラリートロフィーの一戦で、4SSが設定された1デイラリーは完璧なスノーコンディションとなった。
トヨタWRCチームの代表就任時には『この職を引き受ける前に、走ることを認めてほしいとトヨタ自動車の豊田章男社長に聞いたら、趣味で走ることを認めてくれた』と語っていたラトバラ。今回のラリーを終えて、自身のFacebookページに「完璧だったよ! 本当に最高のウインターコンディションだったし、走るのがとても楽しかった。この感じをずっと待っていたよ」と満足のコメントを寄せている。ラトバラはこのイベントで優勝、父のヤリは3分56秒1遅れの11位だった。
ラトバラはこの後、母国フィンランドで初めて開催されるWRCアークティック・ラリーフィンランド(2月26〜28日)の準備に専念する。
「(WRCのベースとなる)アークティック・ラップランドラリーには、2006年にトヨタ・カローラWRCで参戦した。いい思い出もイヤな思い出もある。通常のアークティックラリーは、コーナーがものすごく長いんだ。最初はそのようなコーナーをあまり速くクリアすることができなかった。それだけの自信がなかったんだけど、そのうちにやっとリズムをつかんだ。そしたら雪壁でコースオフした。シャベルでマシンを掘り出すのに1時間かかったよ!」
「フィンランドでWRCが2戦開催されることは、ものすごくうれしい。20年くらい前には、フィンランドには雪がたっぷり確保されているんだから、ここでWRCを開催すれば最高なのに、と話をしていたことを覚えている。もちろん、その時は開催するならラップランドだ、と考えていた。それが実現するとは思わなかったけど、いま、そのチャンスが巡ってきて、夏のWRCに加えて、話のとおりにラップランドでも開催できることになったね」