Mスポーツ・フォードのチーム代表、リチャード・ミルナーは独自の取材に対し、同チームのラリー1プロジェクトに関して、現行のフォード・フィエスタWRCへの取り組みとは別に資金提供を受けており、WRCの次世代最高峰マシンとなるラリー1規定マシンの開発を目指していると語った。
ミルナーは、Mスポーツの予算が限定的であることを否定はしなかったものの、2022年から導入されるハイブリッドのラリー1マシン製作については、現在のWRCプログラムの資金を使っていないと断言。さらに、2022年のラリー1参戦に向けて必要な資源はすでに確保しているとも付け加えた。
「我々は本当にラッキーで、フォードは(2022年マシンのための予算を)全面的に約束してくれた。(今季の)プログラムの予算とは別に確保している」とミルナーは取材に答えた。
一方で、新型コロナウイルスの感染流行によりカスタマーカーの販売やパーツビジネスが影響を受けているため、フル参戦ドライバーはガス・グリーンスミスのみで戦う2021年のWRC参戦に関しては、限られた予算の中で行わなければならないことへの懸念も口にした。
「昨年、そして2021年に関しては、新型コロナウイルスの影響を注視していかなくてはならない」とミルナー。
「今は、これまでよりも少ないスタッフで運営できるようにし、支出やコストを徹底的に厳しく管理することで、会社の新しい方向性を模索していかなくてはならない状況。しかし、同時に、できる限りコンペティティブでいられるようにバランスも取っている。いまの自分たちの体制でライバルと張り合い、できる限りコンペティティブに戦うことが大変なのは明らかだが、現状の自分たちのバランスには満足している」
3年に渡って凍結されてきたラリー1の規定だが、次世代型ラリー1マシンの規定についてはヒュンダイ、Mスポーツ、トヨタが最終確定にも寄与。ハイブリッドキットは来月にもチームに配給される見込みとなっており、マシン開発は一気に進むものと見られている。
(Graham Lister)