WRC第3戦ラリーポルトガルのデイ1が3月24日(木)と25日(金)の2日間にわたって行なわれた。全部で7本のSSを走行しトップに立ったのはヤリ‐マティ・ラトバラ(フォード・フィエスタRS WRC)。2位は11.5秒遅れでチームメイトのミッコ・ヒルボネン(フォード・フィエスタRS WRC)、3位はトップから13.7秒遅れでセバスチャン・ローブ(シトロエンDS3 WRC)という順位になっている。
第2戦メキシコでシーズン最初のグラベルラリーを経験した新WRカーにとって、第3戦ポルトガルはヨーロッパ初のグラベルイベントとなる。ラリーが行なわれるのはこれまでと同様、アルガルベ地方ファロを中心とする一帯。しかし、新たな試みとして24日(木)に約300km北に離れた首都リスボンでSS1となるターマックのスーパーSSが行なわれた。そして、この最初のショートステージではヒルボネンがトップタイムをマークした。
その後選手たちはファロへと戻り、25日の金曜日からグラベルステージがスタート。出走順の有利なセバスチャン・オジエ(シトロエンDS3 WRC)がSS4でヒルボネンをかわしてトップに立った。ラリーはSS6が終わった時点でオジエ、ラトバラ、ローブという順に。しかし、SS7ではオジエがペースを抑えて総合4位に後退。ローブもまた全開アタックを封印し3位に留まった。翌日のデイ2で走行順がはやまらないように順位を調整したかたちだ。対するフォード勢はラトバラ、ヒルボネンともにアクセルをゆるめず1-2でデイ1をフィニッシュ。シトロエンとフォードで戦略が分かれた。
なお、SS2でベストタイムを刻み2位につけていたペター・ソルベルグ(シトロエンDS3 WRC)は、SS3でのパンクにより約1分を失い6位に後退。さらにはSS5と7でもタイヤをパンクさせ、スペアタイヤを使い切ったことで走行不能となりデイリタイアに。合計10分のペナルティを加算され総合20位に沈んだ。
今回がデビュー戦ながら大健闘しているのはMINIだ。MINIジョンクーパーワークスはワークス仕様のWRカーが5月の第5戦サルディニア(イタリア)で登場するが、今回はそれに先がけややスペックが劣るS2000仕様がデビュー。地元のアルミンド・アラウジョがS2000マシンの中では最上位となる総合7位でデイ1を走り切った。彼の後方には数多くのWRカー勢が並ぶなど、高いポテンシャルを感じさせるデビュー戦となっている。