Mスポーツ・フォードが、WRCでの再起に期待をかけて製作した新型ハイブリッドマシンの初テストを行った。
Mスポーツは公式ツイッターにおいて、2022年からWRCに導入される規定に合わせて製作したラリー1車両をテストしたことを、公表。初めてエンジンを回した際の音源も公開している。
ラリー1マシンのベース車両について詳細はまだ明かされてはいないが、フォード・パフォーマンス部門を通じてフォードが設計、製作、開発コストに関して莫大な規模の投資を行ったことが伝えられている。
「初期段階でのテストを行った」とMスポーツのボス、マルコム・ウィルソンはコメント。
「ここから数カ月は、かなり厳しいスケジュールで、多様な路面や気候コンディションでテストや開発を行う予定にしている。もちろん、まだこのプロジェクトは始まったばかりで先は長いが、Mスポーツのクリス・ウイリアムズと彼のチームがこれまでに行った作業に、すでに感銘を受けている。そして、米国のフォードのテクニカルチームからの支援にも感謝している」
Mスポーツは、WRCのライバルチームに先駆けてラリー1マシンを動かしたと見られるが、ハイブリッドキットの要素にマイナートラブルが起こったことで、全開走行でのパフォーマンステストは来月まで始まることはなさそうだ。
「いくつか小さな変更は必要な部分はあるが、どれもそう大きな問題ではない」と関係筋は語っている。
FIAのラリーディレクター、イブ・マトンは、ラリー1マシンの初走行を「ラリーの歴史の中で、重要な瞬間」と表現した。
Mスポーツにとっては重要な時期となっており、ケン・トーンは3月6日、フィンランド国内選手権のOKラリーでMスポーツ製のフォード・フィエスタ・ラリー3の実戦デビューを果たし、総合11位でフィニッシュしている。このMスポーツ・ポーランドが製作したマシンは、実戦に登場した初のラリー3となった。
(Graham Lister)
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— M-Sport (@MSportLtd) March 9, 2021